イランの対英仏独メッセージ
Japan In-depth / 2019年7月9日 18時40分
〇欧州・ロシア
7日のギリシャ総選挙ではこれまで緊縮財政を進めてきた現政権が敗北し、政権交代する見通しらしい。報道によれば、現首相率いる急進左派連合が獲得した票は3割程度、最大野党「新民主主義党」が過半数の議席を獲得する見通しだという。チプラス政権のあの大騒ぎは一体何だったのか。ギリシャはまた危機を迎えるだろう。
▲写真 チプラス ギリシャ首相 出典:ロシア大統領府
〇中東
ある意味ではイランのウラン濃縮よりも重要な事件が先週起きた。7月4日、英海兵隊はEU制裁に違反しシリアに原油を輸送していた疑いのあるイランの大型石油タンカーを英領ジブラルタル沖で拿捕した。これに対し、イラン国防相は英国によるタンカー拿捕は「脅迫的で間違った行為だ」と指摘したらしい。
今回はイラン籍のタンカーが拿捕されたが、イランだけでなく、中国なども密かに制裁破りをやっているはずだ。例えば、中国籍の空のタンカーがホルムズ海峡付近で突然姿を消し、数日後、満杯で再び姿を現すことが少なくないのだという。このタンカーがイランで秘密裏に原油を買い付けている可能性は極めて高い。
先日の日本人所有タンカー攻撃事件については米国やイスラエル等の陰謀説があったが、米国だったらイラン原油を密輸する中国船籍タンカーを攻撃した方がはるかに効果的ではないか。これからは世界各地でイラン向けタンカーの拿捕や攻撃が頻繁に起きるようになるかもしれない。困ったことだが、これが中東の現実だ。
〇南北アメリカ
駐米イギリス大使がトランプ米政権は「無能」で「頼りにならない」などと報告した極秘外交電報が英メディアにリークされ、大騒ぎになっている。同大使はトランプ政権が「今後、より正常な状態に近づくことや、機能不全、予見不可能性、派閥ごとの分断、外交的なまずさ、無能さが改善されるとはまず考えられない」などと報告している。
これに対する英外務省の声明が素晴らしい。報道内容は否定せず、「英国民は各地の英国大使が任国についてありのままの正直な分析を外相に報告するよう望んでいる」と述べたのだ。万一、同様の報道が東京で起きたら、日本外務省はイギリス外務省と同レベルの矜持を示せるだろうか。それにしても恐ろしいことが起きたものだ。
〇インド亜大陸
特記事項なし。今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。
トップ写真:ハサン・ロウハーニー大統領 出典:Hassan Rouhani (@HassanRouhani)Twitter
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