トランプ、軍事パレードのお粗末
Japan In-depth / 2019年7月10日 23時0分
大原ケイ(英語版権エージェント)
「アメリカ本音通信」
【まとめ】
・トランプ念願の軍事パレードは盛り上がらず。違法性の指摘も。
・トランプは「まともではない」と評した駐米英国大使の本国への電文露見。
・モラー前特別検察官の議会証言控え、国民の目を逸らすことに躍起か。
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先日大阪で開催されたG20サミットで、ホスト国の首相をおざなりにする一方で、ロシア、中国、北朝鮮に好意的な態度を示し、同盟国のNATO(北大西洋条約機構)諸国のリーダーたちから呆れられてアメリカに舞い戻ったドナルド・トランプ大統領だったが、念願だった軍事パレードは思うように盛り上がらず、雨に祟られ、さらに歴史的誤認を含んだ失言スピーチで国内の失笑を買う事態となった。
7月4日の独立記念日といえば、アメリカでは夏の到来を告げる風物詩として、家族や友人とバーベキュー・パーティーを楽しみ、夜は地元の花火大会に繰り出す祝日なのだが、この日首都ワシントンでは、往来に戦車が並べられ、頭上をドローンが飛ぶ異様な光景が繰り広げられた。
トランプは就任後の2017年7月にマクロン大統領の招待でフランスを訪問した際にパリ祭(フランス革命期のバスティーユ監獄陥落記念日)を見ていたく感激し、アメリカでも軍事パレードを是非やりたいとなんどもゴネてきた。アメリカでこういったパレードが行われないのは、パレードなどしなくとも自他共に認める最強の軍事大国であることが知れ渡っているからであり、いつも戦場は国土の外で軍人以外の一般市民に軍備を見せてこなかったなどの諸々の事情をトランプはまったく解さないようだ。
▲写真 トランプ大統領訪仏中に行われたパリ祭の軍事パレード(2017年7月14日)出典: flickr; The White House
実際に今もアフガニスタンやシリアで戦闘中の軍に、展示用に軍機を差し出させ、各軍の司令官を呼びつけるなど言語道断だが、この催しに関しては違法な資金の流れも疑われている。つまり、大統領が自らの再選を視野に入れたスピーチをするために参加するのは、選挙運動とみなされ、その予算に税金を使うのは選挙法違反であるし、軍事パレードの予算を公園などの公共機関のための予算から250万ドルも回すのも前例がない。さらに、このイベントを見物するためのVIPチケットを、共和党への献金者に配ったりするなど、その汚職・癒着・不適切なやり口に開いた口が塞がらない。
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