トランプ、軍事パレードのお粗末
Japan In-depth / 2019年7月10日 23時0分
結局、首都ワシントンの公共道路条例に阻まれて、戦車などは会場の周辺に停車するにとどまり、空軍機の参加も限定的で、軍事パレードとしてはかなりショボい内容となった。さらには当日は局地的な豪雨に見舞われ、(髪の薄さが露呈するので)雨が大の苦手なトランプが濡れながらスピーチをすることに。
▲写真 独立記念日のイベントには空軍による展示飛行も行われた。(2019年7月4日) 出典: flickr; The White House
7月4日以降ネットを賑わしたのは、スピーチの最中にトランプが、1775年の独立戦争時にアメリカ軍が「エアポートを占拠した」と失言(編集部注:1770年代に空港は存在せず、飛行機も1900年代までなかった。)をかましたところから、歴史的写真と空港をコラージュして面白おかしく加工した画像やツイートだった。しかも、ベトナム戦争中に徴兵番号を受け取りながらも骨棘(こつきょく)があると軍役から逃げた恥知らずな人間が、若者に米軍への入隊を勧める発言もあった。
国内のSNSにとどまらず、ロシアのメディアもトランプのパレードはお粗末なものだったとからかうような報道をしている。さらには、イギリスでは駐米大使がトランプを「uniquely dysfunctional(唯一無二的にまともではない)」と評し、「アメリカ・ファースト」と呼ばれる経済政策、外交政策は非常にまずいと本国に報告した電文がデイリー・メール紙にすっぱ抜かれる事件があった。キム・ダロック大使は、メイ内閣とともに交替になるだろうが、せっかくトランプ本人はバッキンガム宮殿に家族づれで歓待されたばかりだと思っているだけに、痛いしっぺ返しとなった。
▲写真 キム・ダロック駐米英国大使 出典:GOV.UK
そして来週は、17日にロバート・モラー前特別検察官が議会でロシアによる大統領選介入疑惑や、トランプの司法妨害に関して証言する予定なので、トランプはこの日に向けて国民の目を逸らすことに懸命になることだろう。まずはラリー(支持者の集会)が予定されているが、今度はどんな暴言がとびだすやら。
トップ写真:米首都ワシントンのリンカーン記念堂前で行われた独立記念日のイベントでスピーチするトランプ大統領(2019年7月4日)出典:flickr; The White House
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