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パフォーマンス理論 その25 メディアについて

Japan In-depth / 2019年7月20日 7時0分

私はメディアに対することだけではなく、人に対しては全て鏡だと考えるようにしている。人間は反応に弱い。例えば自分がある過激な発言をする。そうすると世間なりメディアなりになんらかの反応がある。人間は反応があるものに対し興奮して行動を繰り返すようになる。いじめも、ギャンブルも全てこの反応依存が影響すると私は考えている。これを一旦学習すると、人間はつい反応を欲しがって徐々に反応にコントロールされるようになる。次第に反応に対して適応し、行動や言動が偏り、キャラが出来上がっていく。ある俳優さんと話をした時、いいことでも悪いことでもなんでもいいもう一度だけライトを浴びたいと話していた。人間は反応に対して依存する。


本当は自分がとった行動を鏡が返しただけれなのだけれど、人はそのうちに鏡のなかで起きている出来事に夢中になり、一喜一憂するようになる。そして反応は自分から始まっていることに気がつかなくなっていく。日常生活でもこれは起こり得るが、メディアは拡散装置なので、これが促されやすい。私もこういった反応に左右される人間だったから、常にメディアに対峙する時、現在であればソーシャルメディアも含むと思うが、自分自身の0地点を意識するようにしていた。そのために一番いいのは集団と一定の距離をとること、そして一人で自問自答する時間を作ることだと思っている。イメージだが、花火大会で花火が上がっていてそれを見ている人を遠くの神社の境内から眺めているような感じで、帰り道で社会と距離をとることを意識している。


これらを踏まえた上で、もう少しテクニカルな話をしたい。メディアは種類によってこだわりが違う。テレビは絵にこだわる。絵とは見た目の映像のことだ。それは長い経験からテレビの視聴者は絵によって反応するということがわかっているからだと思う。だから、出る側も絵で判断されている。振り返ってリオ五輪、ロンドン五輪、北京五輪のどの場面を思い出すだろうか。テレビで見ていた人は、ほとんどが絵が浮かぶのではないだろうか。もしかすると音声や、選手のコメントも全部記憶から消えているかもしれない。裏を返せば選手は自分が残すものはある一瞬の姿なのだということを認識しておいたほうがいい。一番いい絵は人間が我を忘れて夢中になっている姿だと思う。メディアの側に少し足を踏み込んでいるみとしては、やはり人間の本性が見たい。スポーツはそれが頻繁に現れるので強いコンテンツになっている。絵は作れないと思ったほうがいいが、もしも何かを意識するなら自分らしさとは何かを考えておいたほうがいい。絵は自分らしくない振る舞いも晒してしまうからだ。


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