パフォーマンス理論 その26 敗北後の整理について
Japan In-depth / 2019年7月21日 7時0分
2の分析を始める際、目標との実際の差が大きかった場合、目標が間違えていたのか、レースが良くなかったのかの二つの観点でみたほうがい。目標との開きが大きいことが連続すれば、そもそも本人が目標達成を信じていなかった可能性がある。目標達成にコミットしていない人間の目標は願望に過ぎないので意味がない。もし目標との開きが続く場合は、本人やコーチが具体的に目標や計画を立てていないか、そもそも目標達成が重要だと思っていない可能性がある。この場合、早めに本当に達成可能な目標に修正をかけた方がいい。そうでないと目標事態に意味がなくなる。
3で大事なのはなんども「なぜそうなのか?それを引き起こしたさらなる原因は何か」を自分に質問し、より根本の課題に迫るようにした方がいい。私を例に出すと、
試合ーハードルでぶつけて転倒
分析ーハードル技術の問題。←本当にそうだろうか
分析ー踏み切る瞬間にハードルと距離が近過ぎた。踏切技術の問題←本当にそうだろうか
分析ー数台前のハードルから歩幅がおかしくなっていた。ハードル間の技術の問題←本当にそうだろうか
分析ー風が強く吹いていて、風に煽られて歩幅が狂っていた←なぜそうなったのか
分析ー緊張のあまり普段であれば認識するはずの風が認識できなかった←本当にそれだけか
分析ー海外の選手のペースが日本人とは違い、最後の直線で後ろから足音が聞こえて焦って歩幅が狂った
分析結果ー風が吹いていることが察知できない、海外の選手のペースが違いそれに振り回された→国外での試合経験数の問題か
という順番に考えた。人によってはもっと違う着地もあるかもしれない。何れにしても大事なことは、頑張りますとか、練習不足ですというようなふわっとした分析で終わらないことだ。ふわっとした分析はふわっとした対策になり、結果として同じ失敗を繰り返す。もちろんスポーツは複雑性が高くシンプルな問題にたどり着けることはほとんどない。けれども、そうとは言い切れないということを自分に許せばいつまでたっても合理的に考えて仮説を立て仮の答えを出す力がつかないので、強制的にでもこれをやった方がいい。
間違えた課題設定をすれば正しく考えても、悪い対策にしかならない。一生懸命頑張るが最初の課題設定が間違えている選手は意外と多い。特に真面目な選手に多いのが目の前で起きている出来事から対処療法的に課題設定を繰り返すので、問題が複雑に入り組んで本質からずれてしまいがちだ。真面目な人間は継続を愛するあまり、現状に引きずられる。そして間違えた課題を設定し新たな問題を引き起こす。
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