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パフォーマンス理論 その27 ロールモデルについて

Japan In-depth / 2019年7月22日 7時0分

トップ選手というのは強い輝きを放つ。私のように自分らしさがない選手はそれに引き寄せられてしまう。距離を置けるうちはいいが、そのうちに彼らがやっていることは全部いいことだと思うようになり、無条件で取り入れるようになってしまう。もちろん私もいろいろと説明をしながら取り入れていたが、つまるところは今あの人が一番速いんだからきっと正しいことをしているはずだ。だから自分もそれをやる。程度のロジックしかなかった。人はそれぞれ違い、ある人にはよくてもある人には機能しないという個別性の原則がわかっていてもできなかった。


この年齢になると少し冷めて見られるようになる。選手にも栄枯盛衰があり、いくら輝いていてもいつかは輝きがなくなる。10年もしたら今のトップ選手たちは次世代の選手に倒され、その選手たちも10年経てば倒される。そうして負け始めている選手を見ると昔の強さの源泉が今度は、悪いくせに見えるから不思議なものだ。人間の目は、結果でまずいいか悪いかを決め、そのあと原因を探す癖がある。だから輝いている選手を見る時は勤めて冷静にならなければならない。無意識に何がいいところなんだろうと探している可能性がある。実際にはトップ選手にも悪いところはある。同じように調子が悪い状況の選手や自分に対し、無意識に何が問題なんだろうと人は探しがちだ。調子が悪くてもいい点はあるはずなのに。


結局のところは、よいトレーニングは普遍性と個別性のバランスにある。普遍性は誰にも通用するエビデンスのあるトレーニングで、個別性は自分の特徴を活かしたトレーニングのことだ。個別性を活かしたトレーニングとはつまり変えられない自分の特徴はどうすれば活きるのかを考えるということだ。重要な点は変えられるものは変え、変えられないものを変えずに活かすということだ。例えば性格などは変えられると思われがちだが、根本的には変えられない。ただ、表現系を変えることは可能だと思う。


もし自分の特徴を知りたければシンプルな方法がある。それは友人10人に自分とはどんな特徴を持った存在かを聞くことだ。何点か自分の認識とずれていることが出てくる。その場合友人の意見を参考にしたほうがいい。人間は自分で認識する自分と、他者が認識する自分があり、後者の視点は自分にとっては意識されない。そして特に若い時は後者の方が的を得ていることが多い。


 


トップ写真)Pixabay Photo by 12019


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