緊迫米・イラン日本は仲裁を
Japan In-depth / 2019年7月23日 1時3分
嶌 信彦 (ジャーナリスト)
「嶌信彦の鳥・虫・歴史の目」
【まとめ】
・イラン経済は急激に悪化。米とイランが一触即発の状況に。
・米・イラン戦争なら日本への影響は計り知れず。両国は戦争を望まず。
・日本独自の仲裁案をたずさえて何度も交渉する努力が必要。
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アメリカとイランの戦争が一触即発の状況になっていている。イランがアメリカの無人偵察機を中東・ホルムズ海峡付近で撃墜したことに対し、トランプ大統領は20日にイランの軍事関連施設3ヵ所への攻撃を一旦承認したという。ただ攻撃10分前にトランプ大統領が実行を中止するよう指示したとしている。
▲写真 トランプ米大統領(2019年7月17日 ワシントンD.C.)
出典:flickr; The White House
アメリカ政権内ではポンペオ国務長官、ボルトン大統領補佐官、ハスペル中央情報局(CIA)長官ら強硬派は軍事攻撃に賛成だったが、国防総省高官らは限定的攻撃と考えていても大規模な戦争に拡大する懸念があり、中東の駐留米軍が危険にさらされるので慎重だったとされる。
■アメリカとイランの40年対立
これに対しイラン側は、「無線で警告したが無人機がイラン領空に侵入し、国際法と国連憲章に違反した」と反論している。一方、国連は21日時点で「全ての当事国が最大限に自制して欲しい」と呼びかけただけで具体的な行動は起こしていない。
▲写真 イランに帰国したホメイニ師(1979年2月1日)
出典:Public domain
アメリカとイランの関係は、1970年代以降、混乱を極めてきた。パーレビ国王時代は、アメリカ、イラン、サウジアラビアは、ワシントン、テヘラン、リヤド枢軸と呼ばれるほど緊密な関係にあり、中東の原油価格の支配権を握っていた。しかし1979年イランで宗教指導者ホメイニ師の主導により宗教原理主義者たちが実験を握って若者たちの革命防衛隊が登場するとパーレビ国王一家はエジプトに亡命。さらにアメリカ大使館にいた館員たちが革命防衛隊の人質となってしまう。途中、何人かは脱出に成功し米軍も救出作戦を試みたが、結局400日以上にわたって人質状態におかれた。この間、館員たちは暴行などにあったといわれ、病人も出している。
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