チャーチルとド・ゴール 今さら聞けないブレグジット その3
Japan In-depth / 2019年7月24日 11時0分
1960年代に入ると、フランスと西ドイツの復興は完全に軌道に乗り、とりわけその自動車産業は、世界市場を騒がせるまでになっていた。ヨーロッパで小型車と言えば、西ドイツのフォルクスワーゲンかフランスのルノーと称されたのである。またしても余談ながら、設計はどちらもドイツ人のフェルディナント・ポルシェ博士の手になるものだ。
▲写真 1960年代フォルクスワーゲンビートル 出典:Wikimedia Commons; AlfvanBeem
これに対して、かつて「世界の工場」と称された英国は、世界の市場を席巻し得るような製品を生み出せなくなっていた。これでは、投資先としてシックスとセブンを見比べた場合、どちらが魅力的かは子供でも分かる。
当然の結果として、英国は言い出しっぺでありながら、1973年にEFTAから脱退し、欧州共同体(EC。1967年に発足)に加盟することとなった。
これでお分かりのように、英国がヨーロッパ統合の流れに乗ったのは、政治家たちの主体的な意志ではなく、経済的な理由で単一市場に参加せざるを得なかったからだ。
三つ子の魂百まで、ではないが、今日のブレグジットを巡る混乱も、まったく同じ理由によって引き起こされたものなのである。
(その4に続く。その1、その2)
トップ写真:ウィンストン・チャーチル元首相 出典:帝国戦争博物館
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