中国人狩り、フランスで頻発
Japan In-depth / 2019年7月25日 18時0分
しかも、彼らが呼ぶ中国人は、決して私たちが思っている中国という国から来た人々ではない。彼らにとって中国とは、アジア全般を指す言葉である。ようするに、「中国人狩り」と言っても、狙われるのは中国人だけではなく、アジア人全般を対象にしているのである。
・アジア人に対する暴行
アジア人に対する攻撃は、今年始まった話ではない。少なからずも、昔からアジア人を対象とした犯罪は発生しており、暴力に対する反対デモも2011年から行われてきた。しかし、この3,4年ほど前から、アジア人の住民が被害に遭う事件が急激に増加しているのだ。
2016年には被害者が死亡するという大きな悲劇も発生した。パリ近郊セーヌ=サン=ドニ県オーベルビリエ市に住む住民で裁縫の仕事をする張朝林さんは、友人と道で歩いているときに、突然3人の強盗に襲われたのだ。そして重症を負い回復することなく、5日後にこの世を去ることになった。
この事件は、中国コミュニティに大きなショックを与えたことは言うまでもない。中国系住民はパリ中心部のレピュブリック広場で集会を行い、中国系住民を狙った人種差別や襲撃事件を抗議した。参加者は集会の後、「すべての人に安全を」と書かれた白いTシャツを着用して、同じスローガンを記されている横断幕を揚げてデモ進行を行った。主催側によると、約5万人が集会とデモ進行に参加したと言う。
▲写真 2016年9月4日、レピュブリック広場での中国人のデモンストレーション 出典:Wikimedia Commons; Chris93
このようにデモを行うなど、地道にアジア人の身の安全を訴えてきているものの、残念ながら襲撃は現在も続いている。アジア人が特別に犯罪の標的になる理由は、活発な商業活動が目立つことによって、中国系住民が「金持ちだ」との誤解からきているとも言われている。
フランス雑誌バラー・アクトゥエルでは、フランスでアジア人が襲われることに対して、現地の生々しい声を紹介すると共に、具体的な考察がなされている。
“このアジア人種差別は、あらゆる形態の人種差別と同様に、まず第一に偏見を持っていることもあげられますが、地域に定着しているコミュニティに対する恨みや嫉妬でもあります。何も求めない人たちにとっては、「アジア人」は確かに「勤勉」であり、それゆえ必然的に「豊か」であり、同時に過度に控え目で復讐心が強いわけではないので、あらゆる攻撃者にとって理想的なターゲットなのです。”
この記事に関連するニュース
-
日本人学校バス襲撃 死亡した中国人女性を「美談」として語ることの危うさ
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月6日 20時42分
-
中国人留学生がニュージーランドで襲撃され負傷、蘇州の日本人母子襲撃事件と比較―中国人ジャーナリスト
Record China / 2024年7月2日 18時0分
-
金塊狙った強盗事件の指示役・情報屋か、男2人を逮捕 警視庁
産経ニュース / 2024年7月2日 14時40分
-
中国の仇日民族主義と胡友平さんの勇気ある行動―仏メディア
Record China / 2024年7月1日 16時0分
-
米軍人や軍属の摘発6163件 復帰後の50年間、沖縄県警まとめ 殺人や強盗など凶悪犯は584件
沖縄タイムス+プラス / 2024年6月26日 8時17分
ランキング
-
1何度も叫んだ「助けて」 駆け付けたヤマト配達員らに称賛の声
毎日新聞 / 2024年7月6日 8時30分
-
2全自衛隊でずさん運用疑い 近く処分、数十人規模か
共同通信 / 2024年7月6日 16時44分
-
3「畑を途中でやめると、住民から嫌われることも…」地方移住5回の49歳男性が語る、“田舎暮らし”で心が折れた瞬間
文春オンライン / 2024年7月6日 6時0分
-
4「今日はやめよう、終わり」説明の場に係長不在で立腹し面談1分、長谷川岳参院議員“威圧的言動”新たに…要職就任で挨拶に行くと「遅いのは犯罪、帰って」「反省文」も
北海道放送 / 2024年7月6日 9時9分
-
5泉・立憲民主代表の交代論がささやかれるワケ 都知事選敗北なら責任論拡大、険しさ増す前途
東洋経済オンライン / 2024年7月6日 9時30分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください