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英のトランプジョンソン首相

Japan In-depth / 2019年7月30日 17時55分

筆者は従来から「日本の海洋国家戦略のヒントはイギリスにあり」と主張してきた。英国のEU離脱は同国が大陸欧州と再び一線を画すことを意味する。しかし、同様のことは東アジアで既に起きているではないか。欧州がEUなら、東アジアでは既にCU(中華連合Chinese Union)ができている。そんなことを今週の英文コラムで書いた。


一方、先週も日韓の緊張が続いた。日本政府は今週後半にも、貿易上の優遇措置を適用する「ホワイト国」から韓国を除外する政令改正を閣議決定するそうだ。しかし、この日本側貿易管理措置の本質は、二国間問題でなく、より大局的な安全保障の視点から分析する必要がある。この点は今週の日経ビジネス電子版に書いた。


キーワードは、韓国外交政策の変質と韓米日連携の経年劣化だ。今回の日本の輸出管理強化はこうした戦略的安保環境の変化の中で韓国を牽制するものでもある。その意味で、韓国側が今回の輸出管理強化を二国間関係の枠内で韓国を懲らしめようとする「報復」と捉えていることは、形式的にも、実質的にも、間違いであろう。



▲写真 文在寅大統領 出典:ロシア大統領府


先週末の日曜討論では日韓関係の後、イラン情勢についても議論した。筆者が言い足りなかった部分を以下に記しておきたい。簡単にいえば、今はまだ情報戦のレベルで、米イランとも軍事的挑発は控えており、こうした状況が当分続くということ。米国の戦争準備は未完了だし、イランも戦えばイスラム共和制が崩壊しかねないからだ。


一部米政府高官を除けば、イランも米国も戦争は望んでいない。イランの目的は英仏独を説得して米国に圧力をかけさせること。これに対し、米国の目的はイランの挑発を抑止するとともに、イランを現行合意から離脱させ、改めてより厳しい内容の合意を結ぶことだ。双方に決定的誤算がない限り、当分は「我慢比べ」が続くだろう。


米国「有志連合」構想についても議論した。coalitionといっても、今の米国には明確な戦略に基づく具体的構想がないように見える。欧州諸国には独自のタンカー護衛措置に向けた動きもあり、全体が収斂するにはまだ時間がかかるだろう。されば、日本が慌てて法改正や法解釈変更などで右往左往するのは時期尚早ではないか。


最も大事な論点は、万一日本のタンカーが海賊などではなく、主権国家の正規軍やそれに準ずる組織から武力攻撃を受けた場合、誰がそのタンカーを守るのか、だろう。日本国内での詳細な法律解釈議論はある程度知っているつもりだが、日本の自衛隊が守らなくて一体誰が守ってくれるのか。本当の議論はそこから始まるべきだ。


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