日本酒革命ドバイで60万円
Japan In-depth / 2019年8月6日 2時11分
出町譲(経済ジャーナリスト・作家、テレビ朝日報道局勤務)
「出町譲の現場発!ニッポン再興」
【まとめ】
・山口県のベンチャー商社「Archis」はドバイを市場に選んだ。
・元商社マンと「日本酒業界の異端児」が作るビンテージ酒。
・「奇跡の米」イセヒカリがビンテージ酒のセールスポイント。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=47202でお読みください。】
地域が豊かになるには、やはり、外からお金を集める力が必要になる。ただ、それには、商品力が欠かせない。目の肥えた富裕層も唸らす商品こそが、重要だ。今回は、山口県発の1本「60万円」の日本酒を紹介したい。
やはり、この2人には、この話から入りたい。山口県のベンチャー商社「Archis」(アーキス)社長の松浦奈津子と副社長の原亜紀夫だ。
2人が勝負の地として選んだのは、アラブ首長国連邦のドバイだった。2016年10月、アルマーニ・ホテル。テーブルには、松浦と原の夢が詰まった超高級、日本酒「夢雀(むじゃく)」が置かれている。
相手は利き酒の世界では超大物の男だ。その男が「夢雀」を試飲する時間となった。緊張した空気が部屋を覆った後、男には笑みがこぼれた。「今まで飲んだどの酒より香りも良く、フルーティーだ」
松浦と原は緊張がほぐれた。その場で納入が決まった。
750㍉リットルの「夢雀」は、ドバイで1本60万円で売られることになった。そして、ホテルでは飛ぶように売れた。
この「夢雀」は、日本での価格は8万8000円。1000本限定で、日本、香港、ドバイ、それにフランスの4カ国で販売された。
きっかけは、元商社マンの原のこんな発想だった。「海外では日本酒は安いイメージがあるが、それを一新したい。ロマネ・コンティのようなビンテージ酒を造りたい」。
▲写真 ドバイのアルマーニホテルのイベントでの一枚
それでは、どこに造ってもらうか。原が考えたのは、山口県の酒蔵では最も歴史が古い、岩国市の堀江酒場だ。
理由は、この酒蔵の杜氏、堀江計全の存在だ。東京農業大学酒造化学科を卒業したが、大学時代から、日本酒を熟成させる技術を研究していた。つまり、ビンテージ酒の可能性を探っていたのだ。
原は堀江酒場に出向くが、当初は相手にされなかった。それでも、原は何度も足を運んだ。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
「白鶴錦 蔵元の集い 2024」オンラインで開催
PR TIMES / 2024年9月20日 14時0分
-
【山形県小国町】地元酒米農家が318 年続く酒蔵の杜氏を目指す!
PR TIMES / 2024年9月19日 11時15分
-
【ホテルクラウンパレス小倉】九州・中国地方の酒蔵10社の名酒約30種類を飲み比べ!日本酒を楽しむ会を開催!
PR TIMES / 2024年9月17日 17時15分
-
《令和の米騒動リポート》足りないのは安い米?米は本当に不足しているのか 米農家は「価格の知覚がおかしな消費者が増えた」と悲痛
NEWSポストセブン / 2024年9月10日 11時15分
-
岡山県の蔵元大集結イベントに潜入! 幻の酒米「雄町」を使った美酒にウハウハ
マイナビニュース / 2024年9月4日 18時10分
ランキング
-
1安倍晋三元首相と旧統一教会の「面談」スクープ 鈴木エイト氏が説く“追及のカギ”「注目すべきは集合写真に萩生田光一氏と岸信夫氏が写っていたこと」
NEWSポストセブン / 2024年9月22日 7時15分
-
2能登の特別警報を警報に切り替え 輪島、珠洲で観測史上1位の雨量
共同通信 / 2024年9月22日 10時50分
-
3「火災旋風」を文化祭で再現 渦巻く炎の怖さを目の当たりに
CBCテレビ / 2024年9月22日 7時5分
-
4「ウーバーイーツ」配達中の軽貨物車、自転車の女性はね重傷負わせ走り去った疑い…運転の男逮捕
読売新聞 / 2024年9月22日 10時20分
-
5能登大雨で仮設住宅8か所浸水、市立病院で下水道が使用不能…白米千枚田が一部崩落「本当にひどい」
読売新聞 / 2024年9月22日 7時10分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください