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パフォーマンス理論 その29 人脈について

Japan In-depth / 2019年8月16日 7時0分

パフォーマンス理論 その29 人脈について


為末大(スポーツコメンテーター・(株)R.project取締役


 


 


【まとめ】


・アスリートは競技以外で損益を超えた信頼できる人をつくることが大事。


・心地いいことを言う人 ≠ 信頼できる人


・自分の人生に他者をいかにうまく巻き込めるかが鍵。


 


【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depth https://japan-indepth.jp/?p=47413のサイトでお読みください。】


 


 


アスリートは一体誰と知り合いになればいいのか。アスリートのセカンドキャリアを見ていると、うまくいかない選手には明らかに知り合いの偏りがあり、ほとんどが競技関係者で構成されている。一方で、誰とでも知り合いになればいいかというと、アスリートが触れている世界は一般社会とは違うことも多く、何も考えずにいると反社会勢力と繋がってしまう恐れもある。アスリートは純粋で社会に無知なことが多いから、どのあたりが常識のラインかを知らないことが多い。


結論から言うと、大事なことは競技以外の信用できる大人の知り合いを一人以上作ることだ。これに尽きる。そしてなんでもこの人に相談するといい。もちろんこの人にいろんなことを相談するので、間違えた人を選んだ場合大変なことになる。だから、様子を見ながら周囲の声を聴きながらゆっくりと決める。理想は二人以上だが、一人でも構わない。


全部を打ち明けると、こんなこともわからないのかとバカにされたり、すでにやってしまっている馬鹿げたことを知られて見放されないかと不安になるかもしれないが、なんでも勇気を持って喋った方がいい。何しろ隠せているのは自分だけで、相手がすでに見抜いていることも多い。また隠していいこともあまりない。相談をくりかえすと、前後の文脈を相手がわかってくれてアドバイスも正確になる。


間違えてはならないのは、心地よいことを言う人が信頼できる人ではないということだ。常にではなくてもいいが、言いづらいことを正面から言ってくれるかどうかは一つの基準になる。言いづらいことを相手に伝えてその人が得することは特にない。にも関わらず伝えてくれる人は信用できる。コツを言うとこちらに指摘する際に、友達が言っていたとかみんなが言っていたとかではなく、自分がこう思ったと言う人は信用できる。自分が思ったと言う文脈で語れる人は誠実な人が多い。


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