フィリピンに新たなテロ組織
Japan In-depth / 2019年8月19日 12時2分
▲写真 1月27日に爆弾テロのあったキリスト教会(スールー州・ホロ/撮影:2019年1月28日) 出典:Public domain
マウテグループの後継指導者とされるハティブ・ハジャン・サワジャアンはミンダナオ周辺の南部で海路インドネシアやマレーシアから密入国してくるISシンパやIS残党、イスラム過激組織関係者を受け入れて、フィリピン国内での活動に便宜を図っているとされ、治安当局や軍が最重要テロ関連容疑者としてその行方を追っている。
こうしたことからイスラム系テロ組織である「アブサヤフ」や「バンサロモ・イスラム自由戦士」、「マウテグループ」の残党、共産党傘下の「新人民軍」などの反政府活動に加えて、新たなテロ組織の離合集散が進んでいるとみられている。
こうした動きは中東でほぼ壊滅に追い込まれたISが新たに東南アジアに活路を求め、その拠点としてフィリピンを狙っているとの見方を裏付けるものとなっている。
■ 戒厳令の拡大も視野に厳戒態勢
フィリピンでは2017年5月に発生した「マウテグループ」によるマラウィの武装占拠を受けて発布された南部ミンダナオ島地域に対する戒厳令は延長を繰り返し、2018年12月に上下両院合同会議で2019年末までの再延長が承認され、依然として継続されている。
▲写真 2017年5月にマウテグループがマラウィを占拠。写真はフィリピン空軍による空爆で炎上する建物(フィリピン・マラウィ/撮影:2017年6月15日) 出典:Wikimedia Commons; Mark Jhomel
戒厳令下では警察や軍に対し令状なしでの身柄拘束や家宅捜索が可能とする権限が付与されている。このため人権活動団体などはテロ事案とは無関係の犯罪や麻薬事犯に対してもこの特権が乱用される危険があると指摘、早期の戒厳令解除を求めている。
フィリピンではマルコス独裁政権が戒厳令を利用して人権弾圧を行ったことへの悪夢が依然として強いものの、ドゥテルテ大統領の根強い人気がその悪夢をこれまでのところ抑えこんでいるのが現実で、戒厳令反対の運動は限られた一部に留まっている。
ドゥテルテ大統領は情報当局などから得た情報として、ミンダナオ島周辺からテロ活動が他の島に拡散する動きが新グループの組織化とともにみられるとして、北部での警戒を強めながら場合によっては「戒厳令の地域拡大」も視野に入れているという。
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