「トイレ臭い!」レガシーになる?五輪会場~東京都長期ビジョンを読み解く その73
Japan In-depth / 2019年8月21日 18時0分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
「西村健の地方自治ウォッチング」
【まとめ】
・水質悪化でパラリンピックのテスト大会が中止。
・原因となる未浄化の生活排水に対応せず。
・選択肢は開催場所の変更か、徹底的な行動変革。
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レガシーにするなら対処療法ではなく、本気で水質改善に挑戦してみては・・・・と思う出来事が起きた。
東京パラリンピックのテスト大会を兼ねたワールドカップがお台場で行われている。しかし、17日、水質悪化のためスイムが中止になった。前日の検査で大腸菌の数値が国際トライアスロン連合(ITU:International Triathlon Union)が定める上限の2倍を超えたため。そもそも国際トライアスロン連合の基準では、大腸菌の数値などから水質を四つに分類。今回は最低の「レベル4」であり、スイムを中止できると定めているようだ。
この1週間前の11日には五輪競技のオープン・ウォーター・スイミング(Open Water Swimming)がお台場で行われた。しかし、テスト大会として5キロのレースで、競技者から「臭い」「トイレのよう」などの不満が続出した。
こうした対策として、「東京都などが大会のときにポリエステル製の水中スクリーンを使う方針」のだそうだ。
■ 水質検査結果は・・・
この原因は、未浄化の生活排水があるから。なぜならというと、東京都では年間100日前後、未浄化の汚水を海に放流しているそうだ。そもそも、下水と雨水を分けずに一つの下水道管で流す「合流式」という方式になっていて、ある一定の処理量を超えると放流してしまうことが理由。下水処理のパワーアップや分水式にしたりという投資はすぐにはできないものだそうだ(切り替えるのに何十年かかるそう)。元都議の音喜多駿さんによると「キャパ超えの際に汚水が放流されるという問題点は抜本的な解決を見ないまま」だそうです。
昨年の実証実験においても「国際競技団体の定める水質・水温基準達成日数は、水泳(マラソンスイミング)の基準で10日、トライアスロンの基準では6日」という結果で、その後も対処を探っていたそうですが・・・・。
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