比カジノに中国人スパイ疑惑
Japan In-depth / 2019年8月23日 10時12分
大塚智彦(フリージャーナリスト)
「大塚智彦の東南アジア万華鏡」
【まとめ】
・フィリピンカジノで中国人労働者にスパイ疑惑。
・違法カジノの拠点は空軍基地にも近くテロ攻撃も可能。
・中国人の不法滞在、不法就労は東南アジア全体に広がっている。
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フィリピンのマニラ首都圏にある中国人経営のカジノや中国本土向けのオンライン・カジノなどで働く中国人労働者、従業員に対してフィリピン治安当局が首都圏のフィリピン陸、海軍施設やニノイ・アキノ国際空港隣接の空軍基地などで軍事情報、通信・信号情報などを探るスパイ行為に関与する可能性があるとして警戒を呼びかける事態になっている。
ドゥテルテ大統領は8月末に中国を訪問する予定で両国の懸案となっている南シナ海の領有権問題に加えて、こうした中国人のフィリピン国内での不法労働、スパイ疑惑についても懸念を伝える可能性があるという。
▲写真 ドゥテルテ大統領 出典:Wikipedia (パブリックドメイン)
東南アジアの人権ニュースなどを主に伝える「ブナ―ル・ニュース」(ネット版)や主要紙「インクワイアラー」などが8月20日までに伝えたところによると、フィリピンのレニ・ロブレド副大統領が18日、マニラで報道陣に対して「中国系のカジノがフィリピン軍の施設に非常に近いところに建設中あるいは運営中であることが懸念材料となっている」と述べて、カジノに関連した中国人の動向を注視していることを明らかにした。
フィリピン政府によると現在フィリピンには約25万人の中国人労働者が流入しているが、その大半が観光ビザで入国して期限が切れた不法滞在やビザ条件にない不法就労しているという。
中国本土ではギャンブルは違法とされているため「オンライン・カジノ」は海外を拠点で活動せざるをえず、そこで働くために多数の中国人が当初から就労目的で不法に入国しているというのだ。
■ マニラ市内に中国カジノ産業の拠点
こうした海外での不法カジノの拠点としてマニラ南郊のカビテにある「フィリピン・オフショア・ギャンブリング・オペレーター(POGO)」が拠点となっている、と治安当局はみている。POGO自体は開発した観光地でのカジノ運営などを業務とする組織で違法ではない。
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