限界商店街を再生した立役者
Japan In-depth / 2019年9月1日 18時0分
出町譲(経済ジャーナリスト・作家、テレビ朝日報道局勤務)
「出町譲の現場発!ニッポン再興」
【まとめ】
・新潟市古町「上古町商店街」若い感性での店づくりで生まれ変わる。
・迫一成氏の仕掛けた活動実績は、96%の補助金へつながった。
・街づくりではなく、みんなで儲ける「攻め」の姿勢が商店街を変える。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合は、Japan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=47690でお読みください。】
大型ショッピングセンターの進出の結果、シャッター街が生まれる。全国至る所で見られる光景である。これは一面の真実であるが、時代の流れとして諦めるべきなのか。いやそうではない。志があれば、事態は改善する。商店街自体が奮闘すれば、賑わいが再び戻ることもある。今回は、そんなケースを紹介したい。
新潟市の古町と言えば、北前船の寄港地として栄え、明治に入っても、日本海側で屈指の繁華街としてにぎわっていた。
しかし、大型ショッピングセンター進出で、古町は閑古鳥が鳴いた。2008年には4軒に1軒は空き店舗となり、中心街の百貨店も閉店となった。動いたのは、親子ほどの年の差がある2人のキーパーソンだった。
そこは、「上古町商店街」、通称「カミフル」と呼ばれる商店街だ。全長500メートルほどの長さで、現在は、110店舗ほどのうち、空き店舗は2店だけとなっている。次々にテナントが入る。佐世保バーガーで修業したという店主が営むハンバーガーショップ。行列ができるほどのチョコレート店。麹の専門店もある。器などを扱うショップもオープンした。30代、40代の若手が次々に店を出している。若い感性での店づくりは商店街に潤いを与える。コンビニやチェーン店は見当たらない。
旗振り役は迫一成。「ヒッコリースリートラベラーズ」という雑貨店を営み、上古町商店街振興組合の理事も務める。もともとは福岡県出身で、たまたま新潟大学に進学した。
卒業後は、就職せず、仲間と一緒に、Tシャツを製造販売していた。転機となったのは、2003年に空き店舗に出店したことだった。
▲写真 迫一成氏 出典:著者提供
ちょうどそのころ、老朽化したアーケードの付け替えが課題となっていた。住民らのアンケートでは、「明るいアーケードがほしい」という意見が多数を占めた。ただ、総事業費はおよそ7億円だ。
-
-
- 1
- 2
-
この記事に関連するニュース
-
能登の商店街、仮設で復活へ なりわい再生へ8月にも第1号
共同通信 / 2024年6月29日 21時2分
-
都内「タワマン乱立」で"下町消滅"は問題ないのか 「商店街をなくす再開発」で"下町情緒"は消え…
東洋経済オンライン / 2024年6月25日 11時30分
-
子どもたちの手でフリーペーパーを 高知市中心商店街の魅力を発信する「こども編集部プロジェクト」への支援募集
OVO [オーヴォ] / 2024年6月18日 15時0分
-
【自治体職員・クリエイター向け】“デザインによる地域活性化”を事例で学ぼう!6/27(木)無料セミナー「杉浦幹男氏が聞く、アート・コンテンツと地域振興シリーズ vol.2」
PR TIMES / 2024年6月13日 9時45分
-
「シャッター商店街を再生」「コンパクトシティー」は東京の価値観の押し付け!? 実は「イオンのある街は住みやすい」という、東京人が認めたがらない〈真実〉【専門家が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月8日 11時15分
ランキング
-
1何度も叫んだ「助けて」 駆け付けたヤマト配達員らに称賛の声
毎日新聞 / 2024年7月6日 8時30分
-
2全自衛隊でずさん運用疑い 近く処分、数十人規模か
共同通信 / 2024年7月6日 16時44分
-
3「畑を途中でやめると、住民から嫌われることも…」地方移住5回の49歳男性が語る、“田舎暮らし”で心が折れた瞬間
文春オンライン / 2024年7月6日 6時0分
-
4「今日はやめよう、終わり」説明の場に係長不在で立腹し面談1分、長谷川岳参院議員“威圧的言動”新たに…要職就任で挨拶に行くと「遅いのは犯罪、帰って」「反省文」も
北海道放送 / 2024年7月6日 9時9分
-
5泉・立憲民主代表の交代論がささやかれるワケ 都知事選敗北なら責任論拡大、険しさ増す前途
東洋経済オンライン / 2024年7月6日 9時30分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)