韓国司法に向かう政治的圧力
Japan In-depth / 2019年9月10日 13時13分
宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)
「宮家邦彦の外交・安保カレンダー 2019#37」
2019年9月9-15日
【まとめ】
・曺国氏を法務長官に起用。韓国与野党の攻防戦継続へ。
・迷走の末「野垂れ死に」も?英首相EU離脱やることなすこと成功せず。
・トランプお粗末外交続く。ターリバーンからも批判される始末。
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先週末は珍しく原稿書きが順調で比較的ゆっくりできた。いつもなら日曜日の夜は大抵半徹夜となる。特に、日本語と英語のコラムの締め切りが重なる週は地獄だ。幸い、今週は英語のみなので時間的余裕があった。今週はジョンソン英首相が安倍首相との初の首脳会談で捕鯨問題に「失望」を表明したとの英国の報道を取り上げた。
これで日曜夜は久し振りに爆睡できるかと思ったら、何と未明に台風15号が千葉県上陸、おかげで月曜朝の会議には出席できなかった。被災地域の方々には心からお見舞いを申し上げたい。それにしても、最近の気象庁の発表内容はあまり官僚的でなく、大いに好感を持った。言葉一つで人をその気にさせる良い説明の典型例だ。
今週は日本で内閣改造があり、内政的には一部関係者の関心が高まっている。だが、筆者の関心は内政は内政でも、やはり韓国内政の行方だ。先週ワイドショー系番組のテーマは日韓関係ばかりだったが、これには理由がある。とにかく数字が取れるらしいのだ。テレビ局もビジネスだから視聴率第一、当然といえば当然なのだが・・・。
そうこうしている内に、韓国大統領が例のタマネギ男を法務長官に任命したとの速報が入ってきた。一連の疑惑について韓国検察は妻を在宅起訴し、捜査を拡大しているようだ。多くのメディアは「任命強行は世論の反発を強め、文政権への逆風が強まる可能性がある」と報じたが、それは今後も続く韓国与野党の攻防戦に過ぎない。
筆者の関心は、韓国の司法が、真の意味で政治的圧力から独立し、法だけに基づいて司法権を行使できるか否かである。文在寅政権から見れば、韓国の検察は保守の巣窟であり、最高裁判所(大審院)の改革(左傾化)に続き、検察にもメス(政治介入)を入れるつもりなのだろう。もし検察が保守の巣窟なら、それはそれで大問題だ。
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