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キーボードで日本、中国に敗北

Japan In-depth / 2019年9月10日 23時0分

そして、それまでの品揃えは2005年のままであった。静音型や無刻印の“誰得仕様”で誤魔化していただけだ。


なお今でも2005年当時の品揃えにBT版が加わっただけだ。


キー設定の自由度も全く手を付けてこなかったことも同じだ。


本来ならあるべき着意である。例えば極初期からUS101配置と日本語106配置の切り替え機構のニーズはあった。持ち出したHHKBを106規格のノートPCにつなげる上で面倒だからだ。


だが実行しなかった。製品の付加価値を向上させる努力を怠っていたのだ。


この野心あるいは熱意の点でもPFUはNizに圧倒されるのである。



▲写真 HHKB墨。HHKBはバリエーション展開に鈍い。写真の墨色や無刻印といった展開しかしていない。写真はその墨バージョン。「二つ目なので色違い」と買ったが暗い室内ではブラインドタッチが怪しい。役物の配置が分かりにくく、十余年経て老眼が進むと昼間でも見にくくて往生している。筆者撮影。


 


■ 日本企業は中国企業に敗北する


なお、最後に挙げた野心の差は日中経済環境の差異そのものである。


勢いある中国企業は得てして中小企業である。社長はオーナーでありアニマルスピリットに溢れている。蛇は寸にして呑牛の志を持つという。Niz社のように新機軸により世界市場を狙う。そのためにはリスクを恐れず寝食を惜しんで事業を進める。


対して日本企業は大企業中心である。社長は雇い人だ。しかも組織の中で高評価獲得に特化した人物である。まずは野心を持たない。結局は身過ぎ世過ぎの商売しかしない。


両者が競えばどうなるかということだ。それはやがて歴史が教えるだろう。


これは日本産業停滞の原因でもある。


革新は中小企業から生まれる。イノベーションや新市場開拓は野心を持った中小企業から誕生する。世界ではそう考えられている。だから経済改革では規制緩和が進められる。中小企業の成長を促す政策が取られるのだ。


だが、日本は大企業保護が続けられている。税金や補助金、為替は大企業有利である。規制緩和も大企業が益する形で進められている。そこには中小企業成長の余地を作る着意はない。産業が廃れるのも当然なのだ。


▲トップ写真:HHKB(上)とAtom66(下)。キー配列はほぼ同じ。これはHHKBに着想を得た機械接点式のPOKERキーボードに配列を倣った形だからだ。筆者撮影。


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