私のパフォーマンス理論 vol.36 -乗り込みについて-
Japan In-depth / 2019年9月14日 7時0分
慣れてくるとこの乗り込む時に、長く深く乗り込むのか、短く浅く乗り込むのか、膝角度を深くするのか浅くするのか選べるようになる。膝、足首、股関節の緩め具合で調整する。これが使い分けられると、400Hでは13歩から15歩まで同じ速度で歩幅を自由に選べるようになる。13歩ではテニスボールのような柔らかなたわみ、14歩では軟式野球ボールの程度のたわみ、15歩はゴルフボールのような硬い反発をイメージしていた。私はおそらくこの乗り込みのたわみの調整がうまかったので歩幅調整がうまく、ハードルに足を合わせるのが自然だったのだろうと思う。400mに比べ400Hが苦手な選手はハードリングの上手い下手ではなく、この乗り込みの種類が一種類しかないことの問題だったように思う。だから、ぴったりと自分の足の反発に合えばタイムが出るが、一度でも狂うと修正が効かない。歩幅の調整が速度の調整になってしまい、足を合わせるために速度を落とすか、または足が合わなくなる。私はこれが400Hの要諦だと思っていて、もしコーチングをするならここの能力を徹底的に鍛える。
さて肝心の乗り込みの練習はほとんどの短距離のコーチはそこを狙ってドリルを行なっているので、それを参考にしてほしい。メニューよりもむしろ自分の身体感覚の方が重要なので、常に乗り込みをイメージしながら練習をすることが望ましい。私はスキップと、ハードルと、高野進さんから教えてもらった練習でこの乗り込む感覚をつかんだ。人によって違いはあるが弾む動作で感覚をつかむことが多いように思う。
トップ画像:pixabay by morzaszum
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