韓日の政治家・官僚は同罪 「知日派」韓国人の声 その2
Japan In-depth / 2019年9月27日 11時41分
この訴訟は何年も前に提起されていますから、本当は、前政権つまりパク・クネ(朴槿恵)大統領の時代に判決が出されるべきでした。
ところが、合議をすれば間違いなくこうなる、という予測が、なぜか大統領の知るところとなった。
これでは日本との関係がまずくなるだけだ、と考えたパク・クネは、あろうことか当時の司法長官と闇取引をしたのです。
▲写真 パク・クネ(朴槿恵)元大統領 出典:ロシア大統領府
当時の司法長官は、三審制を見直して特殊な事案に対応できる司法機関を作りたいという考えをもっていまして、その司法改革を政権が前向きに検討するのであれば、この徴用工判決は先延ばしにする、と言ったのですね。その後、こうした闇取引がバレて訴追され、有罪判決を受けました。
こうした次第ですから、韓国の司法だってろくなもんじゃないだろう、と言われたら、私としても頭をかく他はない、という面はあるのですよ。一国の総理が、他国の三権分立を脅かすような発言をすべきではない、という意見まで、撤回するつもりはありませんけどね。
安倍政権にせよ、この判決に激高したのは、これを是認したら、今後も訴訟の連発に歯止めがかからなくなるおそれがあるし、中国人も黙っていないだろう、といった判断が背景にあったのではないでしょうか。げんに政府のブレーンとされる学者がそうした意見を開陳した、という情報を私は得ていますよ。
つまり、こういうことではありませんか。
政治家や官僚が、自分たちの過去の発言に責任を持とうとせず、条約の趣旨までも、時の政府の都合で解釈を変更してしまう。その結果、被害者の立場は置き去りにされる。
これが現実に起きていることであり、この点で、日本も韓国も同罪であると私は考えます。同罪である以上、批判をエスカレートさせるのではなく、それぞれ自己批判もちゃんとするべきです。具体的には、日本の安倍政権は韓国の三権分立を尊重しなかったこと、韓国政府は大人げない反日発言の数々についてですね。
韓国も日本も、昔から礼節ということを非常に重んじてきた国ではありませんか。
もう一度その原点に立ち返って、新たな有効関係を模索するべきだと、私は思います。
(取材・構成・文責/林信吾)
【ヤン・テフン】
1967年、釜山生まれ。韓国の大学に合格していたが、兵役満了後、日本に私費留学し、城西大学経済学部卒業。韓国のTV製作会社の日本子会社勤務を経て、通訳・コーディネイターとして独立。現在はジャーナリストとしても活躍中。
トップ写真:慰安婦像 出典:Flickr; YunHo LEE
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