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まだ必要?都心の超高層ビル その3 東京都長期ビジョンを読み解く!その76

Japan In-depth / 2019年9月28日 18時0分

これらの開発であるが、そこには「都市」「まちづくり」というマクロな視点よりも、「ビル周辺」という名の区画レベルの視点が目立っている。下佐斯国~身狭国~武蔵国荏原郡桜田郷~江戸郷~江戸~東京・・・という歴史的な流れは感じられないし、都市開発やまちづくりのコンセプトはよく理解できない。本連載で対象としている「神谷町」を見ていても、そこにはほぼ文化的・思想的な「深さ」は感じられない。六本木ヒルズと比較して残念なのだ。



▲写真 狸穴坂から神谷町方面、工事現場(筆者撮影)


港区の虎ノ門・麻布台地区ののコンセプトは、


「緑に包まれ、人と人をつなぐ「広場」のような街 – Modern Urban Village -」


ということらしい。「そのスケールとインパクトは六本木ヒルズに匹敵」と言うが、本当だろうか。



▲写真 工事現場に貼ってある工区(筆者撮影)


六本木ヒルズは、500件もの地権者をまとめあげたというプロジェクトである。工事着工までに15年、非常にハイリスクな案件だった。詳細は以下のようになる。



竣工: 2003年


主要用途: 事務所、住宅、ホテル、放送センター、商業施設、文化施設、公共公益施設


階数:事務所棟: 地上54階、地下6階


住宅棟A棟: 地上6階、地下2階


住宅棟B・C棟: 地上43階、地下2階


住宅棟D棟: 地上18階、地下2階


高さ: 森タワ一高さ238 m


【出典】参考HP: http://www.arcstyle.com/tokyo/roppongihills.html、https://www.mori.co.jp/projects/roppongi/




▲写真 六本木ヒルズ(筆者撮影)


なかでも、そのコンテンツの配置である。美術館を最上階に置くという、賃料が高いところをあえて文化施設にするその価値観に文化を発信する意思を感じる。住居、文化施設、オフィス、ホテルなどをあわせてつくったわけだが、本来、切り分けた方が楽と言われている。複合化は手間がかかるのに、あえてそうしたということで建築業界では「凄い」と言われているようだ。


特に、六本木ヒルズは多くの機能が複雑に構成されている。ゾーンごとに完全に切り分けたほうが楽だが、他方、単調な街並みになる。住居、文化施設、オフィス、ホテル、商業施設が混在していることが、街としての魅力を高めているのだ。


建築物のデザインもなかなかしゃれている。「折り紙や鎧兜などをモチーフに、折る、重ねる、明暗をつけるといった、日本の伝統的な要素を感じさせるディテールと幾何学的なデザイン」と言われている。


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