どうなるトランプ弾劾の行方
Japan In-depth / 2019年10月1日 23時5分
政策的には、日中関係は米中の従属変数であり、独立変数にはなり得ない。だが、米中対立は20年は続くだろうから、米中関係が良くならない間は、日本にとって対中改善の好機だ。これと同時に、中国に更なる現状変更を認めぬための我が国の抑止力の整備が重要となる。
▲写真 安倍首相と習主席 出典:首相官邸
朝鮮半島:冷戦構造の変化、北の核武装、中国台頭、米国迷走により韓国は伝統的な「均衡外交」に回帰しつつある。一方、中ソを失った1990年代より北朝鮮は国体維持・生き残りのため核兵器開発に邁進し、北京・東京を狙う中距離核弾道ミサイルの実戦配備が時間の問題となりつつある。
政策的には、北中露との関係改善と米韓同盟維持は両立可能だと信じる韓国を含む「米韓日連携」の維持は困難である。韓国がその新たな「均衡」政策により中朝側に過度に傾斜しないよう日韓関係を最低限維持する必要あり。北朝鮮の核に対しては、北東アジアでの核抑止強化と非核三原則の部分的見直しを議論すべし。
〇 欧州・ロシア
冷戦終了後、旧東欧諸国のEU、NATO加盟により欧州ロシア関係が悪化し、政治統合を目指すEUの限界が露呈した。英のEU離脱、各国の民族主義、移民問題などで欧州は「内向き」になりつつある。対露関係で日本は北方領土の「時効停止」を図るべく対話を継続する一方、欧州諸国には東アジア問題への更なる関与を働き掛ける。
▲写真 プーチン大統領 出典:ロシア大統領府
〇 中東
イラン:79年のイラン革命、91年の湾岸戦争、03年のイラク戦争と11年のシリア内戦を経て中東湾岸地域には「力の空白」が生まれ、イランは影響力拡大に成功。湾岸での国際的対立の本質は宗教ではなく、伝統的な民族間の競争だ。対イラン友好も大事だが、湾岸安定は最優先、シーレーン維持のため更なる防衛努力が必要だ。
〇 南北アメリカ
米指導力に翳りが見えつつあり、新孤立主義のトランプ政権はダークサイド現象を助長している。但し、米国の国力は低下していない。低下したのは米国の国力を活用する米政治家の能力だ。トランプ政治はオバマ大統領誕生という歴史的事件の反作用であり、米共和党の伝統的な保守理念(国際主義・自由主義)は変質しつつある。
〇 インド亜大陸
特記事項なし。今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。
トップ写真:トランプ大統領 出典:The White House
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