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未来世代の為に関係修復を(下)「知日派」韓国人の声 その5

Japan In-depth / 2019年10月4日 13時30分

お金の問題だけなら、前にも述べましたが、日韓基本条約で一応の決着は見ているわけですからね。げんに元徴用工の中には、日本政府からの謝罪がなかったとして、企業が提示した補償金の受け取りを拒否した人もいるのです。


ただ、ここは誤解していただきたくないのですが、日本政府が謝罪しなければなにも始まらない、という態度も、あまり生産的ではないと、私は考えています。


韓国人のことを「恨(ハン)の民族」などと言う人もいるようですが、恨むべき、憎むべきは戦争や植民地主義であって、日本や日本人ではないはずです。


多くの韓国人、とりわけ若い世代は、そのことを理解していますよ。京都アニメーションが放火され、多くの犠牲者が出た時に、どれだけの韓国人が哀悼の意を表したか。韓流アイドルにはまったことがきっかけで、ついには韓国語をマスターしたという日本人も、大勢いるではありませんか。


韓日両国の政治家に今一度問いたいのは、そのことです。


あなたたちの言う「国益」「国家の威信」とは、こうした若い世代の思いを無にすることなのでしょうか。未来世代のために、相互批判と自己批判は共に必要だということが、どうして理解できないのですか?


韓日両国は歴史的な結びつきも深く、長きにわたって親しい関係だったではありませんか。江戸時代にも国交がありました。当時の朝鮮には、インジンの倭乱(豊臣秀吉の朝鮮出兵)という「歴史問題」があり、一方の日本は鎖国という体制であったにもかかわらず、です。


不幸な時代もありました。犠牲者のことは、忘れるべきではありません。


けれども、未来世代のために、関係を再構築することは、もっと大切だと私は思います。


(取材・構成・文責/林信吾) 


(その1、その2、その3、その4、全5回)


 


【ヤン・テフン】


1967年、釜山生まれ。韓国の大学に合格していたが、兵役満了後、日本に私費留学し、城西大学経済学部卒業。韓国のTV製作会社の日本子会社勤務を経て、通訳・コーディネイターとして独立。現在はジャーナリストとしても活躍中。


トップ写真:竹島/独島(ドクト)出典:Wikimedia Commons


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