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ウォーレン人気は続くのか?

Japan In-depth / 2019年10月11日 11時34分

ちなみにサンダース候補はみずから社会主義者だと宣言し、アメリカ国政の政策軸からすると極端に左傾斜の政策を主唱する。連邦政府の民間に対する介入や支出を徹底して推す「大きな政府」派である。ウォーレン候補も実は民主党内では超リベラル派として「大きな政府」策を唱えてきた。



▲写真 オバマ前大統領(左)とエリザベス・ウォーレン民主党上院議員(右)(2019年2月 プレジデント・デー)出典:Facebook; U.S.Senator Elizabeth Warren


ウォーレン候補は「責任ある資本主義法案」を提唱し、いまのアメリカの資本主義を改革し、大企業の活動を制約することを公約の一つに掲げてきた。高所得層への課税率を高くして、貧困層への富の配分を図る、環境保護のためにいまアメリカで盛んとなったシェール石油の開発の手法フラッキング(水圧破砕法)の禁止を主張する。要するに市場経済の発展とか産業育成というよりも政府介入の拡大や環境保護を優先する社会主義的な志向が強いのである。


そのうえにウォーレン候補には出自について全米の関心を集めた弱点もある。


現在70歳の同候補は2012年に連邦議会の上院議員に当選するまでは法律家として全米各地の大学で教え、ハーバード大学の法学の教授をも務めてきた。その過程でウォーレン氏は自分自身がアメリカ・インディアン(先住民)のチェロキー族出身だと言明して、大学やその他の公的機関での少数民族優遇の措置を受けてきた。


しかし、そのアメリカ・インディアンの血が実は事実ではないことが判明し、ウォーレン氏はチェロキー族などに公式に謝罪までした。この話が大統領選予備選でも何度も提起され、ウォーレン候補の弱みとなってきたのだ。


トランプ大統領はこの点をすでに捕らえて、ウォーレン候補に「ポカハンテス」というニックネームをつけ、揶揄したほどだ。ポカハンテスはアメリカの開拓時代、イギリス人に協力した実在のインディアン女性で、インディアンの側からは白人へのすり寄りとして批判されてきた。



▲写真 トランプ米大統領(2019年7月23日 Washington, D.C.)出典: Flickr; Gage Skidmore


このウォーレン候補が果たして現在の急浮上の勢いを保って、2020年夏の民主党全国大会で同党の指名を得るか否か。まだまだ予断は許されないが、大統領選への展望がまた一段と複雑に、興味深まる状況となってきたとはいえそうである。


トップ写真:民主党上院議員のエリザベス・ウォーレン候補(2019年8月21日 Altoona, Iowa)出典: Flickr; Gage Skidmore


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