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台風19号、止水板の威力検証

Japan In-depth / 2019年10月13日 23時0分

台風19号、止水板の威力検証


安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)


【まとめ】


・台風19号による浸水被害が拡大している。


・大きな河川が氾濫し、集合住宅含め多くの住宅が冠水。


・止水板など、浸水防止対策を普段から検討しておくことが望ましい。


 


10月12日、列島を直撃した台風19号(ハギビス)。記録的な大雨で東日本を中心に川が氾濫し、浸水被害が拡大している。国土交通省によると、13日夕方までに、東京、静岡、埼玉、長野、福島、群馬、栃木、宮城などで、21河川、24カ所で堤防が決壊、河川の142カ所で浸水被害があったという。また土石流や崖崩れなども相次いでいる。亡くなられた方、行方不明の方も多数出ており、今後その数は増える見込みで、大変悲しく、残念な気持ちで一杯だ。心からお悔やみを申し上げる。被災した地域が一日も早く復旧することを心から願うばかりだ。


さて、今回は東京都世田谷区の多摩川の水が堤防を越えた。多摩川は筆者の住む地区から5キロほど西、住宅街の近くを流れる大きな川で、近年高層マンションの建設も相次いでおり、人口が急速に増えている地域だ。12日夜から堤防を越えた水が川からあふれ出て、周辺の道路が冠水した。今回は実際に浸水対策をしたマンション住民の方から話を聞いたので紹介する。


 


■ 止水板とは


 今回話を聞いた方のマンションではエントランスに「止水板」を設置したことで事なきを得た。「止水板」と聞いて皆さんはどのようなものを想像するだろうか?一番身近なものは、地下鉄の入り口に設置するものではなかろうか。筆者も実際に設置されているところを目にしたことはないが、テレビ等で見たことはある。地下に水が浸入することを防ぐために出入り口に人の手で設置するものだ。



▲写真 駅出入口に設置した止水板 出典:東京メトロ


では市街地のオフィスや店舗などはどう浸水対策をしているかというと、一番ポピュラーなのは「土のう」だろう。応急的に出入り口に設置するのに便利である。



▲写真 土のう(2005年6月小松市の梯川堤防上にて) 出典:Photo by shift


しかし、住宅地のマンションなどの集合住宅では、土のうを積み上げるにも人手を集めねばならないし、そもそもどこから土のう袋を入手したらいいかすらわからない。中に詰める土砂も市街地の場合、そう簡単に手には入らない。


しかし、エントランスに「止水板」があったら、それを設置するだけで一階ロビーへの水の浸入は防げる。実際に「止水板」が効果を上げた例を紹介する。


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