令和時代になぜ憲法改正 その1 世界で目撃 日本国憲法の異端
Japan In-depth / 2019年10月14日 18時43分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視 」
【まとめ】
・外国の激動の中で実感する日本国憲法の異様性。
・この異様な状態を令和の新時代に変えねばならない。
・憲法論議でアメリカという要素は極めて重要。
令和の時代が幕を開け、日本にとっての新たな始動が感じられるようになった。
私自身はアメリカの首都ワシントンにあって、報道活動を続けるなかで世界の情勢が令和の始まりで区切られることはないとわかっていても、日本にとっての新時代の新たな輝きは日本人として自然に実感してしまう。
日本にとっての新時代のスタートとなれば、どうしてもその曲がり角に立って、日本という国のあり方を改めて考えてしまう。昭和、平成、令和と長い年月、日本の外にあって日本をみつめ、考えてきた私にとって、日本のあり方という命題となれば、まず迫ってくるのは日本国憲法である。
▲写真 日本国憲法 原本 (2014年5月6日)出典:Flickr; Ryo FUKAsawa
いまの日本国憲法は日本を国家であって国家ではなくしている。国家が自国や自国民を守るという最小限の責務をもないがしろにさせる。日本を国際社会の平和を守るという共同作業にも背を向ける異端の存在としている。日本国民にも外部の国際情勢がどのような現実で動くのかの理解を妨げている――
私はこのように思うのだ。
いまの憲法が顕在、潜在に日本国自身を抑える要素の異様性を外国の激動のなかでも実感してきた。
たとえば、1975年、ベトナム戦争の終結時に勝利した北ベトナムの首脳が国家や民族にとって「独立と自由より貴重なものはない」と宣言するのを聞いた。憲法が日本にとってなによりも貴重だとする平和を優先するならば独立も自由も犠牲になりうるという日本の戦後パラダイムの異端を瞬時、痛感した。
1999年、中国の北京では建国50周年記念の式典で核兵器を開発した科学者たちへの改めての国家と人民からの謝意の表明を目撃した。核兵器こそが自国の自立と発展を可能にするのだという国家主席からの言明があった。これまた戦力すべてを否定するに等しい日本の憲法とは正反対の価値観だった。
2017年、アメリカ議会下院公聴会で民主党の有力議員が「日本は防衛面の対米協力をいつも憲法を口実に断るが、なぜ憲法を変えてアメリカに協力しないのか」と非難するのを目前に聞いた。日本が集団的自衛権を行使できないならば、トランプ政権は尖閣諸島を守るな、との主張だった。
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