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令和時代になぜ憲法改正 その2 日本国憲法書いたアメリカ人の述懐

Japan In-depth / 2019年10月15日 18時0分

令和時代になぜ憲法改正 その2 日本国憲法書いたアメリカ人の述懐


古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)


「古森義久の内外透視 」


【まとめ】


・起草した米国人が述懐。「9条の目的は日本の永久非武装」。


・東西冷戦、朝鮮戦争で米は「日本の非武装」を悔いる。


・伏せられた“米国製憲法”の事実。米は改憲望むも実現せず。


 


さて第一のアメリカによる日本国憲法づくりについて説明しよう。


「憲法第9条の目的は日本を永久に非武装にしておくことでした」


私は日本国憲法起草の実務責任者チャールズ・ケーディス氏から直接に聞いた言葉をいまも忘れることはできない。同氏は日本を占領した米軍の総司令部(GHQ)の民政局次長だった。1946年2月、GHQ最高司令官ダグラス・マッカーサー元帥からの命令で急遽、憲法草案づくりにあたった米軍専門家たちの責任者で当時、陸軍大佐だった。



▲写真 チャールズ・ケーディス氏(1945-48年頃撮影)出典: Public domain


私はケーディス氏に1981年4月にニューヨークで会い、4時間近く、日本国憲法草案づくりの実態について話しを聞いた。おこがましいが、日本国憲法を書いたアメリカ側の責任者から直接に詳細な回顧を聞いた日本人はきわめて少ないと思う。だからこそその記録はできるだけ多くの日本国民に知ってほしいと願うわけだ。ただしケーディス氏とのインタビュー記録はいくつかの場所で公表してきた。全容は私の著書「憲法が日本を亡ぼす」(海竜社)に掲載した。


さてケーディス氏は当時の勤務先のウォール街の法律事務所に私を温かく迎えてくれた。そして日本国憲法草案作成についてはもうアメリカ当局の秘守義務は一切ないという点を明言したうえで、当時の資料をときおり点検しながら、驚くほど率直に憲法づくりの実態を語ってくれた。



▲画像 「憲法改正要綱」(「松本案」)に対するケーディスの所見(1946年2月12日)出典: 国立国会図書館


「当時のアメリカの意向は日本を二度と軍事大国にさせないために非武装にしておくことでした。当初の上からの指令では『日本は自国の防衛のためでも戦争を放棄する』という項目を入れることになっていましたが、私の一存でこれでは国家となりえないと判断して、その項を削除しました」


ケーディス氏はこんなことまで淡々と話した。そして当のアメリカ政府がその後すぐの朝鮮戦争勃発などで日本の非武装を悔いるようになったことを告げた。



▲写真 朝鮮戦争で仁川に上陸した国連軍(1950年9月15日)出典:Public domain


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