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日本のEEZ主張は説得力なし

Japan In-depth / 2019年10月15日 22時46分

 


■ 日本政府も承知している


政府のEEZ主張は国民が信じるほど確固としてはいない。相手国や国際社会を納得させる鉄板の主張ではない。そういうことだ。


これは日本政府も承知している。世界が納得する内容ではない。


だから大和堆では北朝鮮漁船は本気で取り締まらない。以前は警告するだけ。今でも放水しかしていない。また今回の事件でも漂流漁民を日本漁業法違反に問わなかった。


もちろん日本の政府主張は「強欲」でもない。なにより権利主張である。権益であるEEZ面積を最大化する理屈をこねるのは役人の責務だ。


だが、国民が「政府主張は完全無欠」と信じ切るのは脳天気である。その点で日本政府のEEZ主張は妥当か。あるいは相手国や国際社会に通用するかは疑うべきである。


 


■ 東シナ海中間線も自明ではない


なお、日本主張の不確固は東シナ海でも同じである。政府主張は中間線分割である。そして国民も主張が通ると信じている。中国の大陸棚分割は理屈も古く通用しない。日本主張は公平であり世界は支持すると考えている。



▲写真 中国ガス採掘 − 東シナ海での中間線主張も通用する理屈ではない。写真は採掘中のガス井。出典:防衛省撮影の写真を「中国による東シナ海での一方的資源開発の現状」(外務省)より入手。


 


だが、日本主張は通用はしがたい。衡平の原則が持ち出されれば立場は悪い。中国の東シナ海沿岸線は日本の東シナ海沿岸線より長い。台湾省も加えればなおさらだ。日本EEZは相当に東に押し出されることとなる。


その点からすればガス田問題はあまり触らないほうがよい。現状で中国は日本主張に配慮している。つまり労せずして中間線が実現しているからだ。


 


*以前は領海6マイルの外であれば自由に漁業ができた。例えば戦後の日本漁船は水産業未発達であった中国、韓国、ソ連領海のギリギリ外で魚を根こそぎ奪う漁業を行っていた。当然ながら近隣諸国の強烈な反発を買った。だが日本漁業は反省せず対抗策として「英国旗へのリフラッグ」も検討する身勝手さがあった。このような海洋国による強引な振る舞いがEEZの概念を生んだ原因でもある。


トップ写真:衝突された漁業取締船「おおくに」。水産庁の傭船であり所有は民間である。ハルストライプはないがファンネルマークで政府公船の地位を誇示している。写真は「日本海大和堆周辺水域等における外国漁船への対応状況について」出典:(水産庁。2019)より入手


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