トランプ弾劾プロセス進行中
Japan In-depth / 2019年11月26日 10時57分
2日目
マリー・ヨヴァノヴィッチ 前駐ウクライナ大使
ヨヴァノヴィッチは外交官、米政権へのアドバイザーとしてアルメニアやキルギスに赴任後、2016年から駐ウクライナ首席大使としてキエフに赴き、同国が汚職をなくす努力を促していた。しかし、清廉潔白でジュリアーニ率いる裏外交に協力しないと判断されたためか、「トランプ大統領の悪口を言っている」、「ユーリィ・ルツェンコ前検事総長に検挙するなという人物リストを渡した」などというデマを流され、5月に急に本国に呼び出され、任務を解かれた。
▲画像 米下院情報委員会公聴会(2019年11月15日)で証言するマリー・ヨヴァノヴィッチ氏
出典: YouTube; House Intelligence
ユダヤ系であるため、両親とともにソ連やドイツを追われ、アメリカに移住、13歳の時に市民権を獲得した。ロシア語に堪能でプリンストン大学やモスクワのプーシキン研究所で学んだ。
聴聞中は終始柔らかな物腰で、トランプ大統領には任意に大使の人事を決定する権限はあるが、いわれのない中傷を流す必要はなかったはずと証言。公聴会開催中に、トランプ大統領はさらに彼女を侮辱するツイートをし、アダム・シフ議長がそのツイートを読み上げると「身の危険を感じる」と答えた。ヨヴァノヴィッチが退場する際には委員たちから珍しく拍手が起こった。
3日目 午前
アレクサンダー・ヴィンドマン 陸軍中佐
ジェニファー・ウィリアムズ マイク・ペンス副大統領付きアドバイザー
▲画像 米下院情報委員会公聴会(2019年11月19日)で宣誓するジェニファー・ウイリアムズ氏(左)とアレクサンダー・ヴィンドマン氏(右)
出典: YouTube; House Intelligence
7月25日にトランプ大統領がウクライナのヴォロドミール・ゼレンスキー大統領に電話をかけた際、軍事支援を訴えるゼレンスキーに対し「そこでお願い事があるんだが」とquid pro quo(交換条件)を出したとされる件で、その会話を聞いていた人物2人が召喚された。
イヴァノヴィッチ前駐ウクライナ大使と並び、公聴会に出席する前からトランプ大統領や保守系メディアによって中傷を受けていたヴィンドマン中佐は、米国家安全保障会議におけるロシア担当首席アドバイザー。陸軍の軍人として韓国やドイツに赴任後、イラク戦争に赴いた際、爆撃によって負傷、パープルハートを授与されている。議会で証言する現役の軍人は軍服を着るのが正装だが、トランプや保守派メディアはそれを「わざとらしい」と非難した。
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