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『武士道』著者が受けた仕打ち 横行する「危うい正義」その3

Japan In-depth / 2019年11月29日 11時38分

かつてこのような記事と、嘘八百の「大本営発表」を垂れ流して、結果的に日本が滅亡への道を歩むことを阻止できなかった新聞は、その「前科」をもっと真摯に反省し清算してからでなければ、今時の「ネットの闇」を糾弾する資格などないと思う。


話を戻すと、この1年後、新渡戸はまたまた渡米するが、今度は「戦争の震源地」として日本を白眼視するようになっていた米国人たちからバッシングを浴び、失意のうちにカナダで病没した。享年71。


お分かりだろうか。


前回取り上げた「上級国民」がどうのという話とは、いささか趣が違うけれども、新渡戸稲造という人は、国際的に著名な学者でありながら、自ら「大日本帝国」と称した軍国主義の体制下では、多くの人から「西洋かぶれ」などと叩かれ、ついには新聞紙上において、死ね、とまで書かれたのである。


新聞もよくないが、もっと度し難いのは、ちゃんと読みもしないで(漫画版くらいは読んだのか?)、タイトルだけで「素晴らしい本を書いた人」と信じ込み、一方ではその新渡戸を排撃した昭和の軍国主義を「アジア解放のための崇高な戦いであった」などと擁護する手合いである。


今や主要な情報伝達手段であると言えるネットにおいて、このような言論が幅をきかせているようでは、新渡戸稲造も浮かばれないというものだ。


トップ写真:新渡戸稲造 出典:国立国会図書館


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