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香港の今から国際金融都市を考える 東京都長期ビジョンを読み解く!その81

Japan In-depth / 2019年11月30日 23時0分

香港の事情は、思っているよりも意外なことがある。ニューズウィーク誌によると「実際には、その経済のほとんどは十指に満たない富豪一族が牛耳っている。そして彼らは熱烈な北京支持者」ということだ。


今回の区議会議員選挙で圧勝したとはいえ、今後どうなるかはわからない。ただし、アムネスティによると「香港警察は日常的に実力を行使してデモを排除しようとし、またデモ参加者をあいまいな容疑で拘束したり訴追したりしています」という状態なのはしっかり注意しておかないといけない。


 


■ ただし、問題が。補助するらしい・・・


さて、小池都知事が進める「国際金融都市」について見てみよう。


東京都では、東京がアジアナンバーワンの国際金融都市の地位を取り戻すため、国や民間等と連携しながら、金融の活性化に向けた取組を推進しています。(参照:東京都HP)


「「国際金融都市・東京」構想」を見てみると、そのポイントはこうだ。



・アジア域内における国際金融都市・東京のステータスは、香港、シンガポールといった 都市の発展により優位性が低下


・東京に存在する金融機関から顧客にとって魅力ある金融商品 が誕生せず、都民、国民の資産形成に悪影響を及ぼす可能性が


・預金・貯金として滞留している資金が成長分野への投資に回る状況を創る


(参照:「国際金融都市・東京」構想より)



ライバルは香港、シンガポールだそうだ。



▲図 参照:「国際金融都市・東京」構想 p7


具体的な施策としては、上記表のような取組みを手掛けているそうだ。正直のところ、ESG投資という言葉になかなかやるなと思ったが、それ以外はちょっと首をかしげる。具体的施策にも「税負担の軽減」とあるように、今回報道されてきたことの中にも気になる内容があった。それは「バックオフィス業務を外注するコストを削減するために」都が補助金を出すということだ。「国際金融都市」という本を出版し、三大国際金融センターの奪還を企図しているのはわかる。しかし、いくつかの疑問を持ってしまう。



・そもそもなぜ国際金融都市を作る理由があるのか?目的妥当性は?


・有効性は?機能するのか?


・そもそもどのような政策につなげるのか?


・税収増につながるのか。タックスヘイブンに利益はいってしまうのでは?


・その程度でインセンティブとして機能するのか?


・バーゲニング(交渉)する際に、過度に甘い便益を提供することにならないか?


・仮想通貨やオンライン決済などが浸透する中、旧来型の「国際金融都市」など幻想では?



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