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「議員辞めろ」「弁護止めろ」の危険性 横行する「危うい正義」その5

Japan In-depth / 2019年12月9日 7時0分

気持ちは分かる。しかしそれは、やはり「正義感の暴走」だと言わざるを得ない。


私は死刑廃止論者だが、その理由は、死刑は他の刑罰と違って、執行してしまったらもはや取り返しがつかない。無実の人間が死刑にされてしまう可能性を完全に排除できないのであれば、こうした制度そのものをなくした方がよい、と考えるからだ。


もちろん、京都アニメーションの事件について言えば、犯罪事実は明らかなので、この考えを当てはめることはできない、という反論もあり得るだろう。


これまた、反論の趣旨は受け止めるが、同調はできない。たとえ極悪非道という表現でも足りない犯人であり、また現行法下で死刑は免れがたいとしても、


「弁護人つきで裁判を行い、その裁判で有罪が確定した後でなければ、人になんらかの刑罰を科すことはできない」


という法の精神を曲げてはならないのである。



▲写真 放火により全焼した、京都アニメーション第一スタジオ 出典:Wikimedia Commons;L26


別の言い方をすれば、現行法で死刑が認められている以上、国家には死刑を宣告された人間の命を奪う権限があるが、裁判を受ける権利まで奪うことはできない。そして、誰か一人くらいは弁護する人がいなければ、公正な裁判とは呼べないのだ。


誰がなんと言おうと、デュー・プロセス(適正な法執行手続き)を無視したところに、いかなる正義も成立しない。


その一線だけは守り抜くことが、日本が法治国家であり民主主義国家であることの証明になるのである。


トップ写真:丸山穂高議員 出典:丸山穂高Facebook 


【2019年12月10日下記の通り訂正致しました】

誤:齋藤孝夫

正:齋藤隆夫


誤:郡部の横暴

正:軍部の横暴


誤:丸山議員が今度は皇族を巻き込む騒ぎ

正:丸山議員が皇族を巻き込む騒ぎ


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