日中韓首脳のバイ会談に注目
Japan In-depth / 2019年12月25日 11時0分
宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)
「宮家邦彦の外交・安保カレンダー 2019#52」
2019年12月23-31日
【まとめ】
・日中韓首脳会議は話す内容よりも、開催自体が重要。
・韓国の外交政策、米中日露など関係国間のバランス維持に重き。
・「文氏が習氏に来年早期の訪韓を改めて要請」との報道。
この原稿は早朝の秋田発新幹線「こまち」の車内で書いている。窓の外は雪景色、美しい雪国だ。早いもので今回が2019年最後の書き物となる。昨日は秋田銀行関連の会合で話す機会を頂き、夜には格別に美味しい秋田料理をご馳走になった。バルカン半島も良かったが、やっぱり日本の食べ物と飲み物は本当に旨いなあ。
ちなみに先週英語のコラムでコソボを取り上げたら、早速在京セルビア大使館から連絡を頂いた。前回も書いたが、ここの国際政治は基本的に「ゼロサム」で、過去2000年間誰かが必ず「ババ」を引いてきた。当然それは怨念となり、必ず次世代に受け継がれていく。コソボについては今週の産経新聞コラムに書いたのでご一読を・・。
今週のハイライトといえば、やはり、中国成都で行われる日中韓首脳会合ではなくて、その前後に開かれる日中、日韓、中韓の各首脳会議の行方だ。なせ三か国首脳会議に注目しないかって?日中韓首脳会議は話す内容よりも、そもそも開かれることが重要だと思うからだ。それでは、各二国間首脳会議はどうなるのだろう。
現時点では十分な情報がないので、仮説を立てて推測するしかない。その内容については今週のJapanTimesのコラムに書いたが、残念ながら日本語版はない。
一言で言えば「大きな動きはない」ということ。韓国の外交政策が韓米日の反共同盟から米中日露など関係国間のバランス維持に変化しつつあるからだ。もう一つ、韓国の例のタマネギ元法務大臣の逮捕状が請求される見込みだという。当然だろう。文在寅大統領にとっては「訪中して日中韓首脳会合」どころではないかもしれない。
過去一年間のご愛読に心から感謝申し上げたい。来年も続けるかって?正直なところ毎週一回書くのはかなりシンドイ。いつも月曜日の夜は遅くまでの執筆となり、火曜日は何となく元気がなくなる。それでも頑張っていこうと思う。引き続きのご愛読をお願い申し上げる。
〇 アジア
そうこうしている内に中韓首脳会談に関する報道が入ってきた。北京発時事によれば、「文氏は米朝対話が中断していることに言及し、『緊張が高まっている最近の状況は両国(中韓)にはもちろん、北朝鮮にとっても決して得にならない』と述べ、懸念を示すとともに、習氏に来年早期の訪韓を改めて要請した」という。
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