トランプ狂想曲、予測不能【2020年を占う・米政治】
Japan In-depth / 2020年1月2日 19時0分
大原ケイ(英語版権エージェント)
「アメリカ本音通信」
【まとめ】
・上院でのトランプ弾劾裁判で共和党員の寝返りあるか。
・トランプ減税のマジックは解け、米朝関係の進展も期待薄。
・大統領選の行方に触れない米メディア。不透明さ増す米国の2020年。
2020年はアメリカではこの3年半続いてきたトランプ狂騒曲がいちだんと音量を増し、この先いったい何が起こるのか「前代未聞」すぎて誰にも予測がつかないのが正直なところではないだろうか。
11月の大統領選挙に向けてトランプ陣営は、弾劾裁判への反動で自分の支持者が団結することを期待しているが、トランプの支持率は一貫して30%台と、歴代大統領の中でも最低レベルを推移しており、弾劾裁判を機に良い影響が出る可能性は低い。
上院の弾劾裁判では、トランプの与党である共和党が過半数を占めているので大統領の罷免はないだろうが、誰か数人でも寝返らない保証はない。地元選挙区の世論を確かめながら各議員が慎重に発言を控えるだろう。
さらに世論が「やはりトランプは罷免すべきだ」という方向に動けば、上院での弾劾裁判もどうなるかわからない。
年が明ければ大統領選挙戦が本格化するが、今のところ結局はジョー・バイデンが民主党の対抗馬となり、追い上げている候補の中から副大統領候補が選ばれると見るのが無難だろう。
▲写真 民主党のジョー・バイデン前副大統領(2019年8月10日 米・アイオワ州)出典: Flickr; Gage Skidomore
中間選挙以降の選挙結果を見ると、長年、共和党が優勢だったバージニア州が民主党に転じたり、真っ赤(共和党優勢)とされていたルイジアナ州やケンタッキー州で民主党の州知事が当選するなど、全体的な動きは赤から青へと動いているようにも見える。
大統領選挙以外のエリアでは、経済指標はあまり期待できない。というのも2020年からはトランプが講じた税率軽減のマジックが解けるからだ。富裕層は相変わらず減税の恩恵を被るが、中間層に対する減税は最初の年だけの限定的なものだったので、一転して2020年の税金負担が重くなったように見える4月あたりに不満が噴出してくるだろう。
同時に、NAFTA(北米自由貿易協定)を一方的に破棄し、新しく締結したとトランプが謳ったUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)は2020年中に上院で採決が行われ批准されるだろう。アメリカにとってカナダに乳製品を輸出しやすくなること以外に大したメリットはない。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
バイデン氏“撤退検討”米紙報じる… 民主下院議員25人も撤退要求準備か トランプ氏の対抗馬にハリス副大統領が急浮上【news23】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月5日 11時11分
-
バイデン氏が大統領選を辞退したら何が起こるか トランプ氏に勝てる若い候補が出現する可能性も
東洋経済オンライン / 2024年7月3日 10時30分
-
前嶋和弘・上智大学教授「日本には米国を国際社会につなぎ止める役割が期待される。世界秩序構築をリードする覚悟で」
財界オンライン / 2024年6月26日 7時0分
-
トランプ氏有罪で共和党が連帯した
Japan In-depth / 2024年6月11日 9時0分
-
トランプ氏の有罪評決が不信を生む7つの理由
Japan In-depth / 2024年6月9日 13時0分
ランキング
-
1鹿児島県警の野川明輝本部長を不起訴…不祥事の隠蔽疑惑で刑事告発
読売新聞 / 2024年7月5日 22時42分
-
2生活「苦しい」6割=平均所得3.9%減―厚労省
時事通信 / 2024年7月5日 19時33分
-
3「お前臭いねん」洗濯機に同僚の50代男性を入れて回した疑いで30代男2人逮捕 男性は「過去にも暴行を受けていた」と話す
MBSニュース / 2024年7月5日 19時40分
-
4万博会場建設作業中に長さ11mの鋼材8枚落下、けが人なし タイプAの建設現場
産経ニュース / 2024年7月5日 23時1分
-
5【速報】小学生が水泳授業で溺れる 意識不明の状態で搬送 高知市
ABCニュース / 2024年7月5日 19時55分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください