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日本文化と古代イスラエル 笑うに笑えない都市伝説 その2

Japan In-depth / 2020年1月27日 18時0分

念のため、相撲協会のホームページなども見てみたが、諸説あるものの協会の解釈では「発気揚々」が語源であると書かれていた。したがって、正確には「はっけよい」でなく「はっきよい」であると、協会審判部の規定に明記されているのだとか。これは、初めて知った。はっきよい、ならばヘブライ語でどういう意味になるのだろうか笑。


ならば、これでこの話も終わりだと思いきや、高名な元横綱までが、相撲の期限は古代イスラエルの神事であるとする説を、週刊誌で大真面目に開陳していたのには驚いた。


都市伝説に限ったことではないが、このように影響力のある人が「拡散」に手を貸すと、本気で信じる人が増えるに違いない。こういう時こそ


「ソースを示していただきたい」


と追求するのが、マスメディアの役割だと思うのだが。


権威かどうかは知らぬが、日本語とヘブライ語を詳細に比較してみたところ、3000もの単語に発音や意味の同一性があることが分かった、という研究結果も発表されている。


もし事実であれば、あの『広辞苑』の見出し語が25万ほどであるから、1パーセント強がヘブライ語と類似している可能性があるわけで、それならばたしかに、統計学的に無視できない数字ということになる。是非とも、詳細を開陳していただきたいものだ。まさかとは思うが、


What time is it now? (今何時ですか?)


という英文を「掘った芋いじるな」と頭に入れて、試しにアメリカ人に言ってみたら通じた、などというポンコツ中学生並みの「外国語談義」ではあるまいな。


前回私は、宇宙人が実在するか否かの問題と、ピラミッドは宇宙人が作ったという説はまったく別問題であると述べた。繰り返しになるが、そういうことを言いつのるのは、ギリシャ・ローマを源流とするヨーロッパの文明しか認めたくない人たちではないのか、とも述べた。


古代日本と古代イスラエル王国を結びつける考え方も、もしかしたら、中国大陸の文物が朝鮮半島を経由して渡来し、いにしえの日本文化を育んだのであると、素直に認めたくない人たちが言い出したのではあるまいか。そうだとすれば、愚かなことだ。


考えても見るがよい。国民国家などというものは、たかだか200年余りの歴史しか持っていない。紀元前に、私は日本人、あんたは中国人などという意識など存在しなかった。まして2000年以上前の日本文化のルーツが中国大陸にあろうが、あるいは本当に古代イスラエルにあろうが、それで現代の日本人一人一人の値打ちが上がったり下がったりするのだろうか。


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