昆虫=エイリアン説と臨死体験 笑うに笑えない都市伝説 最終回
Japan In-depth / 2020年2月8日 11時1分
この本の中で立花氏は、死後の世界といったものが本当にあるわけではなく、なんらかの脳内活動ということで、いずれは説明がつけられるだろう、と述べていたが、これもやはり最近の研究で、どうやら本当に、人間の脳内に死の恐怖を緩和するようなメカニズムが組み込まれているらしい、というところまでは解明が進んでいるそうだ。
しかしながら、進化論の立場からすると、そんなものがなんの役に立つのか、という疑問に突き当たってしまうのだとも言われる。一時的に死の恐怖から解き放たれ、むしろ幸福な気分にひたれたとしても、その先にはなにもないわけだから。
なるほど、そう言われれば……と思わされがちだが、私はいささか異なる考えを持っている。もしも人間の脳内活動が、死の恐怖に打ち克ちがたいものであったとしたら、人類はここまで繁栄できただろうか。
よいか悪いかは別にしてだが、なんらかの目的のためには生命の危険を顧みない、という人間たちが、社会や文明を進歩させてきた。典型的な例が戦争で、幾多の戦争の結果として今の社会の姿があり、多くの技術の発達がもたらされたことは事実である。これはなにも、私が戦争を肯定しているわけではなく、歴史には様々な側面があるのだという話である。よいか悪いかは別にして、と述べたのはそういう意味だ。
話を戻して、もともと進化論の登場によって、
「世界は造物主が6日かけてつくりたもうた」
として7日目を「安息日」とする信仰が揺るがされた。現代の日本では、クリスチャンでさえそんな話をまともに信じてなどいないが、かつてのキリスト教文化圏では、これが「常識もしくは基礎的な教養」だったのである。
進化論もまた、発展途上にある学問だと割り切ってしまえば、科学の進歩の結果「進化論の常識」が次々にくつがえされたとしても、むしろ自然なことだし、それで進化論の価値が下がるわけでもない。
要は、自分の頭で考える習慣をちゃんとつけた上で。いい加減なネット情報を闇雲に信じたり、逆に根拠もなく否定したりしないことだ。それが、科学との上手なつきあい方というものだろう。
(その1、その2、その3、全4回)
トップ写真:イメージ 出典:Free photos and images
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