インドネシア、中国鮮魚輸入全面禁止へ
Japan In-depth / 2020年2月9日 22時51分
大塚智彦(フリージャーナリスト)
「大塚智彦の東南アジア万華鏡」
【まとめ】
・インドネシアは中国からの航空便停止、中国からの渡航者の入国制限を実施
・中国からの海産物の輸入制限にまで拡大する方針
・背景に南シナ海での海洋権益を巡る中国との争いか
中国湖北省武漢を中心にして中国全域からいまや日本をはじめ欧州や北米までと世界的に感染が拡大している新型コロナウィルスによる肺炎は東南アジア諸国連合(ASEAN)にも深刻な影響を与えている。
2月5日現在、新型肺炎の感染者が依然としてゼロの状況が続いているASEANの大国インドネシアは5日午前零時から中国本土からの定期航空便さらに中国に向かう航空便などの運航停止方針を決めるとともに中国からの渡航者の入国制限、過去2週間以内に中国を訪問したことがある外国人の入国も制限する対応策を打ち出した。
これには在インドネシアの中国大使が強硬な反対をインドネシア政府に伝えたとされているが、自国民の安全確保を最優先するというジョコ・ウィドド大統領の強い意志を反映して、中国の反対を押し切って決断したといわれている。
▲写真 コロナウィルス感染国マップ 出典:wikimedia : Pharexia
そのインドネシア政府が、新型肺炎の感染予防の一環として中国からの海産物の輸入制限にまで拡大する方針であることが5日に明らかになった。人の移動に関する制限に加えて中国からの輸入品制限まで新型肺炎対策が拡大することで中国側の激しい反発が予想されている。
エディ・プラボウォ海洋水産相は4日、「新型肺炎の感染被害、拡大を最小限に抑制するために中国からの水産物の輸入制限に踏み切った」と明らかにした。
今回の措置についてエディ海洋水産相は「これまでの約1カ月の期間に特に問題があったわけではなく、苦渋の決断だったが、海洋水産省だけの判断ではなくルトノ・マルスディ外務相の助言もあって決めたことである」とジョコ・ウィドド政権の方針として決めたことであることを重ねて強調した。
その上で「インドネシアとしては新型肺炎による最悪のリスクを回避するための措置である」とあくまでもインドネシア国民への感染拡大防止の観点からの決断であることを訴えた。
▲写真 鮮魚イメージ 出典:pixabay: ulleo
水産海洋省によると今回輸入が禁止されるのは中国からの鮮魚に限定され、冷凍水産品など他の水産輸入品に関しては「監視・検査態勢を強化して冷凍水産品をはじめとする他の中国からの輸入品目については感染の有無を厳しく調査した上で輸入は継続する」としている。
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