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東京の未来「悪くないだろう」?~東京都長期ビジョンを読み解く!その84

Japan In-depth / 2020年2月11日 12時50分

今回の戦略の中で、とっても良いのはこのスタートアップ重視の経済政策である。ただ、この記述はどうか。大事なのは作ることより本当の意味での「社会的」課題が明確になり、解決に向かうことでしょ?行政課題について書いてあるが、ありきたりでどうやって、という手法を考えるのが政策であり、行政の責任なはずだ。言葉を濁してはだめです。しかも、ここでいう「社会的課題」が以下のようなレベルなのだ。



▲図 東京が抱える様々な行政課題 出典:東京都庁「未来の東京」戦略ビジョン



空き家活用


商店街・地域産業振興


自助・共助


【出典】東京都庁:「未来の東京」戦略ビジョン 前掲、P188



とあるが、



空き家活用→空き家の解体と空き家率減少


商店街・地域産業振興→振興の必要性を再検討


自助・共助→自助・共助の防災の仕組みづくり


【出典】東京都庁:「未来の東京」戦略ビジョン 前掲、P188



と言う形で直すべきである。


 


■都庁は傍観者ですか?~役割・範囲が曖昧


ここで何度もいっているが、行政の役割か何かを無自覚である。住民から言われれば、はいはい、とおカネをつけてやってあげられる時代ではないし、そこを都民は期待していないということも多い。


厳しい言い方だが、未来を夢見ました、自分たちが「なんとなく社会にとってよいらしきこと」をリストアップし、こうすべき!でも手法はわかりません~なんとなく頑張ります!というものになっている。


 ・なぜ東京都がやるのか?(民間に任せたら?)


 ・事業に目的妥当性、有効性(効果)、効率性、公平性はあるのか?


 ・やり方は適切か?(ここにこそ民間との連携では?)


 ・個人の領域を侵害していないか?


 ・デジタルトランスフォーメーションを進めると民主主義は侵害されないか?


といった論点を考察し、深く考えているとは残念ながら思えない。不十分に思える。


問題意識や責任範囲、そもそも公共的な使命や責任という面で残念な印象である。どこか他人事に聞こえるし、そんなにこうした課題解決は簡単にできるものではないし、全体的に自己アピールが過ぎる。


■まとめ


行政経営の専門家から言うと、話題のテーマを深く考えずに、ありきたりの会議をして、事務方が頑張って資料をまとめたものである。きれいな、かっこいい言葉が躍っているものの、「だからなに?」なのだ。都民が現在抱えている不幸、ストレス度合、根本的に抱える問題が解消されるとは思えない。もっと頑張って議論して、作成してほしい。そして、都民と対話をしてください。3回しか開いていない会議で、オープンと言われても、と思う。


トップ写真:「未来の東京」戦略ビジョン 表紙 出典:東京都庁 HPより


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