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赤字必至の東京五輪にもの申す

Japan In-depth / 2020年2月12日 23時1分

このような「営利運動会」に3兆円もの血税を投入するのは犯罪的だといってよいだろう。しかも医師などの専門家を含めた多くのボランティアは無料奉仕どころか、宿泊費などの実費も支払われない。アスリートたちはそれが当然であると思っているのか。


参加するアスリートは開催費用が高騰しても彼らは反対や抗議の声を上げていない。人様の巨額の税金で遊ぶのを当然、あるいはそれに3兆円の値打ちがあるとでも思っているのだろうか。


我が国は国の借金が1千兆円を超えている。このため国家予算の四分の一は国債の利払いで毎年消えている。高齢化、少子化で人口は減少しており、GDPの拡大や税収増を見込むことは難しい。


財政に余裕がなく、個人や企業の社会保障費の負担も増え、国民の所得も減っている。一部の富裕層は資産を増やしているが、大多数の国民の手取り所得は安倍政権になってからも減っている。だがその環境でも税収を確保するために消費増税を実施し、社会保障費の個人負担も増やさなければなければならなかった。また多くの国民が貧困や奨学金の返済など苦しんでいる。我が国に「運動会」で3兆円も使うような余裕はない。


3兆円もカネがあるならば、「運動会」よりも、貧困対策、職業訓練や雇用対策、育児、介護、自殺対策、過疎対策、社会保障や国債償還の原資などにあてて、国民の負担を減らし、福祉の向上に使うべきだろう。


また橋梁やトンネル、道路など高度成長期に造られた多くの社会インフラの補修や改修にも多額の費用がかかるが、これらにも充てることができるだろう。あるいは将来の飯の種になるよう科学技術、特に基礎開発に投資すべきだろう。少なくとも「運動会」で散財するよりはまともな使い方だ。


政府は国威発揚のためにスポーツ庁まで作って、多額の予算を投じて金メダルを増やす気満々だ。だが金メダルをとって国威発揚しても腹は膨れない。オリンピックで勝って国威発揚というのはナチスドイツや北朝鮮などの独裁国家と同じ発想である。安っぽい愛国心を煽ることは成熟した民主国家のやることではない。


国はスポーツの振興が国民の健康に役立つというが嘘である。オリンピックに出るようなアスリートたちは体を酷使するので故障だらけだ。女子マラソン選手などは生理が止まったり、老婆のような骨粗鬆症になっている。趣味でやるテニスやゴルフのレベルでも肘や腰を痛めているプレヤーは多い。健康のためなら、ちんたら水泳やったりラジオ体操やったりするほうがよほどいい。


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