1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

赤字必至の東京五輪にもの申す

Japan In-depth / 2020年2月12日 23時1分

更には中学高校のクラブ活動、特に運動部は教員にブラック労働を強いており、教師の本来の業務を圧迫している。百害あって一利なしである。


そもそも近代オリンピックは古代グレコ・ローマン文化に対する歪んだ片思いだ。欧州人は自分たちをグレコ・ローマン文化の継承者とし、近代オリンピックはその文脈で始まった。だがそれは事実ではない。



▲写真 ギリシャでの採火式 出典:StockSnap / Pixabay


現代の欧米文明は古代ギリシャやローマとは文化的に断絶している。その文化や知識はルネッサンス時代にアラブ世界に残された文献などを通じて欧州に還流された。


断絶の具体的な一例を挙げれば白亜の大理石のコリント様式などの建造物や彫刻である。欧米の公共建築は白亜のコリント建築が多用されている。だがオリジナルのギリシャのものは本来豊かな色彩で塗られていた。現在のアテネのパルテノン神殿などが「白亜」なのは、それが「廃墟」だからである。


我が国の法隆寺や出雲大社のように延々と継続してきたものではない。だから欧米人は白亜が正しいと誤解したのだ。あろうことか、かつて大英博物館などは遺跡から発掘した石像などの塗装の残りをきれいに取り除いていた。


つまり近代オリンピックは自分たちをグレコ・ローマン文化の正統な後継者と思い込みたい欧州人の誤った思いこみから始まったものだった。そもそも古代のオリンピックは競争ややり投げ、格闘技などの軍事技術を神に奉納する「軍事の祭典」であった。


それでかつての近代オリンピックはアマチュアの交流という大義名分があった。だがロサンゼルス大会以降はプロ化し、また商業化が甚だしい。IOCや政治家、広告代理店や、放送業者、建設業者などが儲けるシステムとなっている。だから筆者は「利権運動会」と呼んでいるのだ。本来単なる国際的な競技大会であればこれだけ巨額な開催費用は必要ないはずだ。パラリンピックも同じである。


営利興行であるならばIOCや、競技団体、アスリートたちが費用を自分たちで集めるべきで、血税に頼るべきではない。プロ野球にしてもプロレスにしてもそうやって自力で興行している。


たかだか3週間の「運動会」に本来は国民の福祉に使われるべき3兆円もの血税を食い散らかし、浪費することに疑問を感じない、あるいは自分たちは競技をやっているだけで、金勘定は興味ないというのならば、アスリートたちは社会性も知性も品性もない恥知らずな人種、ということになる。


トップ画像:オリンピック(イメージ)出典: Gerhard Gellinger / Pixabay


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください