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島耕作型経営者が企業滅ぼす

Japan In-depth / 2020年2月18日 11時0分

島耕作型経営者が企業滅ぼす


清谷信一(軍事ジャーナリスト)


【まとめ】


・バブル以降日本企業がパッとしないのは島耕作に代表される日本型サラリーマン経営者が無能だから。


・新しい発想や独創性なく、組織変革の気概にも欠ける。


・矢島金太郎のような改革型蛮人タイプこそ大企業に必要。


 


80年代のバブル以降、日本の大企業は衰退が続いている。我が国を代表する大企業、NEC、東芝、富士通など中国や韓国などの追い上げて受けて、青息吐息だ。


バブル以降日本企業がパッとしないのは島耕作に代表される日本型のサラリーマン経営者が無能だからじゃないか。バブル時代を引きずっている「島耕作」をヒーローと捉えるようなメンタリティが企業の改革を阻んでいるのではないか。


漫画島耕作シリーズは「課長島耕作」から始まって会長シリーズが終わり、次は相談役になるようだ。島耕作は一見一匹狼風ですが、実は大した経営能力があるわけではない。上司に可愛がられ、女にモテ(これはファンタジー)、あとは探偵使って裏工作でのし上がってきた。事実、漫画でフィクションにも関わらず、彼の経営してきたテコット社は難しい経営環境に陥っている。


島耕作はある意味典型的な大企業のサラリーマン経営者だ。基本的にゴルフや銀座のクラブで、経費で飲み食いして仕事の話をする昭和なサラリーマンのスタイルの仕事ぶりだ。


他の社員と同じような金太郎飴タイプである。彼らには新しい発想や独創性もなく、組織を変革しようという気も実績もない。意思決定も遅い。結局バブルまでと同じ経営手法、すなわちキャッチアップ時代のガンバリズムで乗り切ろうとする。



▲写真 サラリーマンイメージ 出典:Pixabay: mercado2


大企業に入ってくる社員は、大抵勉強はできるけども、寄らば大樹の陰志向だ。だからリスクをとって新しい提案をしたり、挑戦したりする気概も発想もない。会社にしがみついて美味しい思いをしたいだけだ。つまり会社にぶら下がり、しがみついているだけだ。会社に過剰適応しているので自社については詳しくなっても、他の会社では使い物にならない。


しかも同質の金太郎飴体質だ。会社内の「常識」が「常識」で、付き合いも社内、精々業界内だけなので世間の常識を知らない。また今の会社の文化や発想と異なる人材を毛嫌いし、保身が第一なのでますます純粋培養化が進む。いちばん大事なのは現状維持だ。率直に申し上げればナイーブで世間知らずで、逞しさがない。だからパラダイムの転換をするような改革ができない。セクハラ、パワハラもそういう「内輪の常識」を基準としているからだろう。


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