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島耕作型経営者が企業滅ぼす

Japan In-depth / 2020年2月18日 11時0分

筆者の世代は昔は新人類と呼ばれ、いまはバブル世代と呼ばれている。新卒当時できが悪ても就職に苦労しなかった世代だ。いまも仕事ができないのに人件費が重いこの世代が企業に重荷になっている。彼らはバブル時代の常識が抜けなくて、自社の事情だけには詳しくて、他流試合ができない無能が社内に滞留している。彼らは高給をとって働かないだけの社内失業者ならまだしも、若手や経営者の改革を妨害したり、仕事に茶々をいれる。


最近は小さい企業の経営効率が悪いと盛んにいわれているが、むしろこういう高給取りの「社内失業者」、穀潰しを飼っている大企業の方が、経営効率が悪いだろう。事実、中国や韓国などの企業に遅れをとっている。


それを変えられないのは経営者の質が悪いからだ。旧態依然の行動成長期の夢に浸っていて、漫然と構えて、ハングリー精神もなく、改革を先送りしている。だからアグレッシブで経営判断の早い韓国や中国企業に押されている。


だがアイリスオーヤマはこれらの駄目な企業からリストラされた社員を中途採用で雇って家電事業で業績をあげている。つまり経営者が優秀であれば大手の社員でも利益をあげられる、すなわちこれは既存の大手家電メーカーの経営者が無能という証拠だ。


防衛部門を持っている大企業もそうだ。利益も低く、右肩下がりで、輸出市場で稼いで巻き返してやろうという気位もなく、漫然と継続してリソースを無駄使いしている。どうやっても防衛事業は国内市場だけでは開発のペースも遅く、コスト意識も芽生えない。先にあるのは緩慢な死でしかない。それがわかっていても事業統合や事業を畳む経営力もない。行き着く先は緩慢な死だろう。NEC、富士通、住友重機、東芝皆同じだ。やる気がないならば防衛部門に見切りをつけて、浮いたヒト・モノ・カネといった資源を本業に集中すべきだだが、それができない。


コマツはそのいい例だ。稀代の経営者と謳われた坂根正弘元会長ですら、防衛部門には手を付けずに先送りして退任した。結果、散々税金食い散らかしたら挙げ句に装甲車からは事実上撤退した。防衛の売上の6割を占めてきた砲弾のビジネスも、戦車や榴弾砲の大幅削減が進んでおり、同じ道を辿るだろう。せめて後10年前に装甲車両は三菱重工と、砲弾はダイキンあたりと事業統合していれば生き残ることができ、体質も改善できて状況は大きく違っていただろう。自分の任期の間は面倒くさいこことに手を付けず、無難に過ごすことしか考えていない経営者には改革はできない。


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