羽田新飛行ルートの謎1 東京都長期ビジョンを読み解く!その85
Japan In-depth / 2020年3月5日 11時22分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
「西村健の地方自治ウォッチング」
【まとめ】
・羽田空港に到着する飛行機のルート変更に伴う試験飛行の反応。
・新ルートは危険な都心上空を通過。
・問題解決には代替案を直ちに進めるしかない。
「(飛行機の音が」うるさいなー」・・・・(お前の声の方がうるさい)
「(飛行機の下降する姿は)こわー」・・・・(おちてくるはずねー)
「やべー飛行機かっけー」・・・・(お前のほうがかっけー)
「飛行機内から覗かれちゃう」・・・・(手を振ろう(笑))
品川、渋谷、大井町、その付近に住む人々や通りがかった人たちが声を上げている。羽田空港に到着する飛行機のルートが変わる、2月にその試験飛行(民間旅客機を活用した「実機飛行確認」)が行われからだ。都心の真上を試験飛行する姿を見て、驚いた人も多いだろう。
▲動画キャプチャー https://www.youtube.com/watch?v=4iiGvzs1Uyk 出典:福士岳歩氏撮影映像
今年の3月末から運用が本格化するわけだが、その意味は羽田空港の国際線の発着回数が3万9000回も増え、年間9万9000回に拡大するということ。拡大には新たなルートが必要になり(キャパ的に)、渋谷~品川~大井町~あたりのルートを飛行機が新たに通ることになるのだ。
▲画像 出典:国土交通省HP
国際便の便数を増やすことの背景には、まず第一に、羽田空港のキャパシティが限界にきているからだ。現状のA、B、C、D滑走路では今以上に増やすことはできない。
第二に、経済的理由。外国人のインバウンドの増加、ビジネスニーズ、そして東京五輪・パラリンピックがあるから。日本経済の活性化において非常に重要になってくる。国土交通省が示すところによると「新ルート移行に伴う経済効果は約6500億円、税収増約530億円、雇用増は約5万人」だそう。
政府は日本再興戦略に基づいて、審議会で議論して、このルートしかないという結論になったようだ(審議会の模様はこの連載で詳細する)。
■ あぶない「新ルート」
特に、南風が吹いている好天時には午後3-7時の場合は、以下の左図のようなルートになる。
▲画像 出典:国土交通省HP
東京になじみのない、イメージがつかない人もいるだろうから、自治体をプロットした図を見てみよう。
▲キャプチャー 出典:国土交通省HP
目黒区、渋谷区、港区、品川区・・・・都心の上空を飛ぶことになるのだ。さらに、品川区に焦点をあててみよう。
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