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結婚問題と女性宮家問題  どこが違う?日本の皇室と英の王室 その4

Japan In-depth / 2020年3月7日 18時0分


▲写真 秋篠宮ご一家


出典: 宮内庁ホームページ


 


私が「若い二人が幸せならそれでいいじゃないか、で済まされないのはお気の毒」と述べたのも、この文脈においてなのだが、結果的に読者に誤解を与えるようなことがあったとしたら、ここでお詫び申し上げます。


 


もうひとつ、この結婚が「国民等しく祝福できる」形で円満にまとまりそうにない、という点で私が残念に思えてならないのは、女性宮家の創設・女系天皇の認知へのハードルがさらに一段高くなってしまった感があることだ。世間もマスコミも好意的に見ていると言い難い「婚約者」が、皇族もしくはそれに準ずる立場になってもよいのか、などと公言する人は、ネットだけでなくリアルの論壇にも結構見受けられる。


 


前述の、どうしても結婚したければ私人として、といった話が出てくるのも、もしかしたら、このような議論を意識してのことなのかも知れない。


 


ここで私の立場をはっきりさせていただくと、女性宮家や女系天皇の一体何がいけないのか、まったく理解できない。


 


これについては、反対論のどこがおかしいかを検証するのが早道だろう。


 


まずは幾度か述べたことだが、2700年続いた男系の伝統、という話。皇統を神話時代にまでさかのぼったならば、天照大神にまで行き着くわけで、皇室=天孫ならば女系でしょうが、でおしまいである。



▲写真 足羽山の継体天皇像(福井県福井市)


出典: 立花左近


 


もう少し「まともな」議論として、資料で実在が確認できる継体天皇(26代)以降、男系が続いたことは間違いないではないか、と言う人もいる。


 


これは、事実関係においては、その通り。


問題は、その「男系が続いた」理由がどこに求められるか、ということで、これは疑いもなく側室制度なのだ。


 


現在の天皇は(ここは便宜上、神武天皇から数えるが)126代目。過去には2度即位した天皇もいたので、総数は124人だが、うち60人以上は皇后ではない女性を母として生まれていることをご存じか。


 


昔は幼児死亡率も高かったし、家系を守るための側室制度は広く存在した。それを今さら批判してどうなるのか、という反論もあり得よう。しかしそれならば、近現代=17世紀以降に話を限った場合、皇后を母として生まれた天皇は、江戸時代の明正天皇(109代。女性!)、明治天皇、昭和天皇、そして前天皇と現天皇の計5人しか存在しないという事実は、どう見るのか。


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