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結婚問題と女性宮家問題  どこが違う?日本の皇室と英の王室 その4

Japan In-depth / 2020年3月7日 18時0分

 


なによりも私が主張したいのは、議論の本質は「皇室の今後の在り方」であって、それこそ今さら「側室制度に支えられた男系の伝統」を持ち出すこと自体がナンセンスではないのか、ということだ。


 


もちろん今では医学の進歩という要素があって、側室制度などなくとも、体外受精や遺伝子工学を活用しての「産み分け」も可能である。しかし、これもこれで「皇室に嫁いだ女性は男児を産むのが責務」だという論理であることには、まったく変わりがない。


 


そこで、敗戦後に皇籍を離脱した旧皇族を復帰させて宮家を増やす、という案が取り沙汰されているわけだが、これとて復帰を望む旧皇族がほとんどいない、とも聞くし、将来もしも男児が増えなかったら、それこそ税金の無駄遣いではないだろうか。



▲写真 昭和天皇と旧宮家の人々(1937年頃の推定)


出典: パブリック・ドメイン


 


で、ここからがいよいよ私の「議論の根底」だが、日本国憲法では天皇の地位について「国民の総意に基づく」と明記されている。


 


ならば世論はどうなのかがだが、媒体によって多少のばらつきはあるものの、女系天皇を是認する人はおおむね7割以上。これに対して旧皇族の復帰は2割を下回る程度の支持しか得られていない。「国民の総意」はもはや明確なのだが、それでも納得できないと言うなら、それこそ国民投票でもやればよいのだ。


 


文化的伝統というものは、たしかに大事だと、私も強く思う。しかしながら、皇室の真の伝統というものは、時代に応じて変わってきた、という事ではないだろうか。昔から祭祀と言えば神道だが、実は仏教徒だった時代もあった、というように(イチャモンを書き込む前に、奈良の大仏は誰が建立したのか考えられよ)。


 


今の日本国は、憲法上も社会の在り方としても、男女平等が原則ではないか。ならば「皇統も男女平等」へと舵を切るのが正しいと、私は考える。プリンセスの結婚問題にせよ、「女系天皇の是認につながる女性宮家の創設論議」とは、ひとまず切り離して論ずるのがよいと、私は考える。


 


変えてもよい伝統、むしろ変えるべき伝統というものも、世の中にはあるのだ。


 


▲トップ写真 天皇陛下ご即位を祝う一般参賀(2019年5月4日)


出典: flickr ; Dick Thomas Johnson


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