いつ消える?「レイプ文化」
Japan In-depth / 2020年3月10日 18時0分
また、授賞式の数時間前にもフランスのフランク・リステール文化大臣が、ポランスキーの授賞に反対する考えを表明し、「ポランスキーが最優秀監督賞を授賞するのは象徴として良くない」と誤ったメッセージを伝えることに対して警告した。
そして2月28日、ポランスキー氏は監督賞を受賞した。セザール賞の授賞式の外ではフェミニスト団体が抗議活動を行い、会場内では女優のアデル・エネルさんが「恥だ」と叫んで退席し、女性映画監督のセリーヌ・シアマさんら数人も彼女に続いた。そしてエネルさんはロビーでは「ペドフィル万歳!ブラボー、ペドフィル!(小児性愛者万歳)」と叫びながら会場を去ったのだ。
▲写真 女優アデル・エネル氏 出典: Photo by Georges Biard
時代は、#MeToo運動をきっかけに、確実に動いている。「私生活と公生活は関係ない」という考え方が主流だったフランスですら、作品の鑑賞が性犯罪の許容につながるのでがないか?という議論を巻き起こし、犯罪を犯した人間を称賛するべきなのだろうか?という意識が大きく表面化している。起訴されて罪を犯したことを認めたのにまだ罪も償っていない人間が、釈放中に国外に逃亡し、何もなかったように生活しているどころか、賞を受けあがめるられる場面が放送されることは、同様な被害にあった被害者たちをさらに傷つける。「もう、レイプ文化に我慢ができない。犯罪者を称賛することで発せられるメッセージに我慢ができない。」と、昔と違い権力者が弱者を抑えておける時代でもなくなった現在は、そんな声であふれているのだ。
3月8日は「女性の日」だ。フランスでは、「女性の権利の日」である。この20年でフランスの女性の権利は大きく前進した。それでもまだまだ十分ではない。権利を向上させる活動はまだまだ行われていかなくてはならない。
そしてそんな活動を、自身が先頭になり行っているシアパ副大臣はこう呼びかける。
「この20年でフランスの女性の権利は大きく前進しました。活動を行い続けることによってさらに20年後には、この「女性の権利の日」が、他の日と変わりない日になることを切望しましょう。女性の権利は一年中守られ、男女ともに、自分が導きたい職業的および個人的な生活を送るれるようになることを。」
参考)
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Non, le 8 mars n'est pas la Journée de la Femme!
Après les César, Schiappa demande au milieu du cinéma de "croire" et "soutenir" les victimes
Polanski aux César: Marlène Schiappa s'inquiète du «message paradoxal» envoyé aux victimes de violences sexuelles
https://youtu.be/qVqOpSFKFGs
トップ写真:女性の権利省の予算の削減に反対して、パリの経済財務省の前に集まっているフェミニスト(2017年)出典:Photo by Jeanne Menjoulet
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