「検察官の定年延長、問題なし」衆議院議員山下貴司元法務大臣
Japan In-depth / 2020年3月12日 11時0分
細川珠生(政治ジャーナリスト)
「細川珠生モーニングトーク」2020年3月7日放送
Japan In-depth 編集部(油井彩姫)
【まとめ】
・一昨年秋頃から、国家公務員法改正で一般の公務員も定年が65歳まで延長されるという法案が検討されることになった。
・検察官も、国家公務員法に定める定年退職の特例の適用があるという解釈を改めて整理した。
・森雅子法務大臣『口頭決裁』発言について、決裁を口頭でやる場合はある。
今週のラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」では、元法務大臣の山下貴司衆議院議員を迎え、検事長の定年延長の問題について、政治ジャーナリストの細川珠生が話を聞いた。
検事長というのは各高等検察庁のトップである。東京高等検察庁の黒川弘務検事長が2月に検事長としての定年63歳を迎えたにもかかわらず、その後も延長しており、法的根拠が国会で取り沙汰されている。
山下氏は、「法律上どうなのかという問題と、個別人事でどうなのかという問題に分けて考える必要がある」と述べ、検察官の身分について説明した。
検察官は一般職の国家公務員にあたる。しかし、国家公務員の一般法である国家公務員法とは別に、戦後まもなく制定された特別法として定められた検察庁法が適用される。
又、元々国家公務員には定年制がなかった。ただ検察官の定年については検察庁法により、検事総長が65歳、検事長などその他の検事は63歳で退職するのはその年齢になった誕生日、と定められていた。
一方、一般の国家公務員は昭和50年代半ばから60年代にかけて定年退職制度が設けられるようになり、条文で、一般の公務員の定年年齢は60歳、退職日については定年になってから最初に迎える年度末、3月31日となった。
検察庁法において定年年齢と退職日がはっきり定められており、それが特例となるので国家公務員法の適用がないのは明白だ。それなのになぜ今回の問題が起きたのか、細川氏は聞いた。
山下氏は、今回の論点は国家公務員法の中の、定年による退職の特例という条文にあったとして、次のように説明した。
「職務の特殊性や職務の遂行上特別な事情がある場合などに、原則1年以内最長3年以内で退職延長ができるという条文が加わっていた。この定年による退職の特例、つまり退職延長については、検察庁法に特段の規定がなく、検察官に適用がないとも書いてないので、条文上でははっきり決められない。」と述べ、この部分に解釈の余地があったとの考えを示した。
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