変わる世界の中国を見る視線
Japan In-depth / 2020年3月13日 7時0分
トランプ政権のウイルバー・ロス商務長官は「このウイルスの拡散は雇用を北米へ戻すことを加速させる」と述べて、批判された。かりにも中国の多数の国民を苦しめる感染症をアメリカの雇用を増すプラスの出来事として描写したことの不謹慎さを非難されたわけだ。だがその一方、今回のウイルス拡大がこれまで中国へ、中国へ、と流れていたアメリカ国内の生産活動の移動を元に戻す効果があることは事実である。
▲写真 ドナルド・トランプ大統領は「脱中国」を主張してきた。(2020年3月3日撮影)出典:The White House flickr (Publick domain)
トランプ政権はウイルス拡散の以前から中国との経済関与を減らすことを政策目標にしていた。中国共産党政権の国際規範無視の膨張に反対するためだった。だがこのウイルス拡大はそのアメリカ主導の脱中国の動きを加速させ、中国に重点が移りかけていた全世界のサプライチェーン(供給連鎖)までにも正面からブレーキをかける結果を招いたのである。まさにグローバリゼーションの大きな変化だった。
すでにコロナウイルスの感染者が多数出たイタリア、イラン、韓国などという諸国も多様な方法で中国との関与や接触を断つ方向への措置を取り始めた。グローバル化への逆行である。
同じ新型コロナウイルスの被害にあい、国難とも呼べる危機を迎えたわが日本も、国内の目前の緊急事態への対処が最重要であることは自明だとしても、この事態が世界全体を中期、長期に変えていく大きな潮流にも視線を向けておくべきだろう。
トップ写真:新型コロナウイルス感染症発生後初めて武漢市を視察する中国・習近平国家主席(2020年3月10日)出典:中国政府ホームページ
この記事に関連するニュース
-
中国はバイデン大統領を懐かしむことになるのか―独メディア
Record China / 2024年11月23日 18時0分
-
対中強硬派ぞろいのトランプ米次期政権に紛れ込んだ「親中」マスク氏、「どう動く」と米誌
Record China / 2024年11月23日 8時0分
-
対中強硬派ぞろいのトランプ政権に紛れ込んだ「親中」イーロン・マスクはどう動く
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月18日 18時24分
-
APEC首脳会議の習近平主席「トランプ氏再登場」を意識した言動目立つ
RKB毎日放送 / 2024年11月18日 14時57分
-
米大統領選挙はトリプルレッドで終結か。次の注目点は「トランプ人事」
トウシル / 2024年11月14日 7時30分
ランキング
-
1斎藤知事、逃げ切れても「残される"2つの疑念"」 「公職選挙法違反」疑惑は、ほぼ"ノーダメージ"?
東洋経済オンライン / 2024年11月29日 7時40分
-
2男女の従業員が客を接待…“ミックスバー”と呼ばれる風俗店を無許可で営業か 代表の26歳男を逮捕 容疑認める
東海テレビ / 2024年11月29日 6時54分
-
3「男が女性客を殴った」非番の女性警察官に因縁をつけて顔面殴打、一緒にいた同僚警察官にその場で逮捕…泥酔の72歳の男「覚えていない」北海道小樽市
北海道放送 / 2024年11月29日 8時56分
-
4大阪維新、岸和田市長を調査へ 吉村代表「トップとして判断」 女性との性的関係巡り
産経ニュース / 2024年11月28日 22時23分
-
5時速194キロ暴走は危険運転 遺族「当然の判決」 量刑には疑問も
毎日新聞 / 2024年11月28日 21時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください