「高貴な方々」も大変なのだ どこが違う?日本の皇室と英の王室 最終回
Japan In-depth / 2020年3月13日 18時0分
いずれにせよ、多感な思春期にこのような噂を立てられ、かつ両親の離婚を経験した王子にしてみれば、早い話が「グレてやる」といった心境になったとしても、まあ同情の余地くらいはある、と私は考えるのだ。今となっては、あまり賛同は得られそうもないが。
日本のプリンセスにせよ、相手の男性よりもその親族がトラブルを抱えていたせいで、結婚に難色を示す人が多い、というのは、本当にお気の毒と言うほかはない。
ただ、今回この連載のために、週刊誌の過去記事などを調べてみたが、もともとはこの男性が、プリンセスとの電話の内容をメディアに得々と語るといったことがあり、かなり早い段階から皇室の内部では、結婚を危惧する声があったらしい。親族の金銭トラブルが浮上したのは、その後なのだ。
ちなみに、この「金銭トラブル」という表現は、今ではマスコミで使われることが減ってきている。くだんの男性側からの申し入れもあったが、今次の結婚問題がどのような結果を見るにせよ、記者会見が開かれた際に締め出されてはたまらない、という「忖度」どころか自主規制だというのだから、おかしな話だ。私はそうした利害関係がないので、堂々とこの表現を使っているが。
ネットもいろいろと検索してみたが、この問題に絡んで、ある漫画家が、
「わしが400万円出す」
と発言したとの記事まであった。だから若い二人の自由にさせてやれ、ということのようだが、そういう問題でないことは自明の理で、ここまでくると、あんたはペンネームを「わるのり(悪乗り)」に変えたらどうだ、という返しくらいしか思いつかない。
シリーズ第1回で述べた通り、税金や世襲の財産で生活を保障されている人たちが、世間から厳しい目を向けられることは、致し方ない。しかしながら、一挙手一投足が注目の的になる生活は、さぞや大変だろう、と考える惻隠の情くらいは、失いたくないものだ。
有名芸能人と違って、あの人たちは望んでその地位についたわけでもないのだから。
(その1、その2、その3、その4 :本シリーズ全5回)
トップ写真:ウィリアム王子とヘンリー王子 出典:Wikimedia Commons;Carfax2
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