令和の朝日新聞大研究 6 政治プロパガンダの増殖
Japan In-depth / 2020年3月21日 11時41分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・朝日新聞の最近の特徴は、主張を優先する政治プロパガンダの拡大。
・客観性やニュース性のない非難と糾弾の繰り返しがきわだつ。
・情緒的で根拠も論理もない、報道機関というより教宣機関のよう。
第四の朝日新聞の令和時代の特徴は政治プロパガンダの拡大である。
特定の政治主張をきわめて主観的に、多くの場合、事実を軽視し、無視してでも拡散するのが政治プロパガンダだといえる。
報道・言論機関としての新聞も自己の主張があることは自然である。だがマスメディアはニュース、つまり新しい情報の報道が最優先される機能媒体であり、自己の意見を述べる評論は二の次となる。そして報道と評論は紙面でも区別されるのが理想である。
ところが最近の朝日新聞をみると、自己の主張を一方的に流すプロパガンダの分量と度合いがますます高まってきた。その程度が異様なのだ。
たとえば令和元年最後の12月31日朝刊では1面のほぼすべてが安倍政権の公文書管理への批判のキャンペーン記事だった。ニュース性のない非難と糾弾の繰り返しである。
同日の社説も個人の気ままなエッセイ風の文章だった。その他も自社の主張に沿う外部の人物たちの意見の紹介が圧倒的に多い。ニュースが少ないのだ。
2020年1月3日の朝刊では1面から4面まででニュース記事は合計4本のみ、報道機関よりも教宣機関のようだった。同じ日の読売新聞の朝刊は4面まででニュース記事が合計10本、朝日の2・5倍の数だった。
朝日新聞全体でもプロパガンダ色が濃い内容の記事がまた一段と増えてきた。客観性がなく、ただただ自己の政治的主張がきわだつ記事である。
その一つが2019年2月7日朝刊に載った「空母は人類に不幸をもたらす」という見出しのコラム記事だった。筆者はこれまた編集委員の駒野剛記者である。
この記事の見出しは「いずも『空母』化」「人類に不幸」「自覚なき転換」だった。日本の自衛隊の「いずも」の空母化は人類に不幸をもたらす、というユニークな主張だった。
ただしその根底には日本の防衛力強化にはすべて反対するという朝日の年来の政治主張があり、この記事はその主張を誇大に宣伝するプロパガンダ性が明確だった。
▲写真 護衛艦「いずも」 出典: 海上自衛隊
空母が人類を不幸にするのならば、いまの世界ではまずアメリカ、中国がその筆頭となる。アメリカは世界最大の空母保有国、中国は世界最大の精力を注いで空母を新造している国だからだ。
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